研究概要 |
本年度は、青色色素生合成のキーエンザイムであるF3'5'H(フラボノイド3'5'ヒドロキシラーゼ)の遺伝子を導入して育成された遺伝子組み換えカーネーション品種を用いて、これらの品種に含まれる花色素アントシアニン及び関連フラボノイド類について分析を行った。その結果、主要花色素としてサイクリックアントシアニンであるサイクリックアリルデルフィニジン3.5-ジグルコシドが見出された。また微量花色素としてマリルデルフィニジン3.5-ジグルコシドとデルフィニシン3,5-ジグルコシドが見出された。フラボノイド類としてフラボンのC-グルコシドであるアビゲニン7-マリルグルコシド-6-C-グルコシドが見出され、また、フラボノールのケンフェロール-3-ラムノシルアリルグルコシルグルコシドが見出された。これらの成分の他に未同定のフラボノール類が約5種類見出された。現在育成されている他の4品種についても、これらの成分の分布調査を行い、ほぼ同様の成分が見出された。今回の材料は花弁を用いて行ったが、現在他の器官についても調査中である。遺伝子組換えの全品種について、デルフィニジンと同様なB環の水酸化レベルをもつフラボンやフラボノール類は見出されなかった。
|