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2003 年度 実績報告書

有機物がアブラナ科野菜根こぶ病菌休眠胞子に及ぼす影響とその要因の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14560053
研究機関広島大学

研究代表者

長岡 俊徳  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (80237502)

キーワードアブラナ科 / 根こぶ病 / Plasmodiophara brassicae / 休眠胞子 / 有機物 / 油粕
研究概要

(1)ナタネ油粕が休眠胞子の発芽に及ぼす影響:いくつかの培養期間で調製したナタネ油粕添加培養土壌の水抽出液を用いて休眠胞子の発芽段階の検定を行ったが、休眠胞子の発芽段階には変化が見られなかった。このことより、ナタネ油粕添加による休眠胞子密度の低下は、発芽促進物質などによる休眠胞子の発芽促進によるものではないと考えられた。
(2)土壌条件・微生物などが休眠胞子密度に及ぼす影響:異なる土壌や、温度、水分条件下でナタネ油粕を添加培養した土壌中の休眠胞子密度の変化を比較したところ、温度が15℃および25℃よりは35℃で、また土壌水分が最大容水量の75%よりは50%および25%で休眠胞子密度の低下が顕著であること、そして土壌間で効果に差があることなどが明らかになった。一方、カゼイン、キチン、セルロースなどの添加によっても休眠胞子密度が低下したことと、オートクレーブ処理によって休眠胞子密度の低下が抑制されたことから、ナタネ油粕添加の休眠胞子密度低減効果には、土壌微生物が何らかの関与をしているものと考えられた。
(3)ナタネ油粕添加が±壌微生物群集構造に及ぼす影響:ナタネ油粕、牛糞堆肥、下水汚泥コンポストをそれぞれ添加して培養した土壌のリン脂質脂肪酸(PLFA)組成を解析した結果、ナタネ油粕添加土壌では、他の有機物添加土壌および無添加土壌と比べ、18:2ω6、cy19:0、20:4ω6の割合が少し高いという特徴が見られた。各PLFA組成の主成分分析の結果からも、ナタネ油粕添加土壌は、他の処理土壌とは少し異なる微生物群集構造を形成しているものと推察された。土壌微生物が休眠胞子密度の低下にいかに関与しているかについてはさらに検討が必要と思われる。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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