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2002 年度 実績報告書

高次構造を基礎としたFMN結合タンパク質の酸化還元活性の発現原理

研究課題

研究課題/領域番号 14560075
研究機関大阪市立大学

研究代表者

北村 昌也  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20244634)

キーワードFMN / 酸化還元電位 / タンパク質工学 / 変異体 / X線結晶構造解析 / 硫酸還元菌 / 解離定数 / フラボドキシン
研究概要

硫酸還元菌由来のFMN結合タンパク質について、タンパク質工学的な研究を行った。FMN結合タンパク質と分子量の点で近く、また、補欠分子族としてFMNを結合しているフラボドキシンと比較すると、アミノ酸配列上、Thr-Trp-Asnという配列だけが唯一同一であった。そこで、これらのアミノ酸残基を部位特異的変異法によって、9種類の変異型FMN結合タンパク質を遺伝子工学的に創出し、サフラニンTをメディエーターとして、その酸化還元電位の変化を調べた。野生型と比べて、Trp残基をAla、Tyr、Phe、His各残基に置換した変異体は、すべて、若干(8から18mV)正にシフトしていた。一方、Asn残基をGln、Asp残基に置換した変異体では、ほとんど変化が見られなかった。Thr残基をSer残基に置換した改変体では若干(5mV)、Val残基に置換した改変体では、大きく(約60mV)負にシフトしていた。私の以前の研究で、FMNとの結合においては、Trp残基を他のアミノ酸に置換した改変体のみ弱まり、特にGly改変体では、もはやほとんど結合しないことを明らかにしている。立体構造解析の結果からも、FMNとの結合にこのTrp残基が重要であることを示した。今回、酸化還元電位の詳細な検討を行った事により、Thr残基の酸化還元電位に対する寄与が明らかとなった。そこで、Thr残基をVal残基に置換した改変体について、その結晶を得、X線結晶構造解析を行った。現在、分解能1.5Åのデータを取得しており、高次構造モデルを作成中である。これらの事から、この配列がFMNとの結合や酸化還元電位にどのような影響を与えているかについて、考察した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Noboru Mataga: "Femtosecond Fluorescence Dynamics of Flavoproteins : Comparative Studies on Flavodoxin, Its Site-Directed Mutants and Riboflavin Binding Protein Regarding Ultrafast Electron Transfer in Protein Nanospaces"Journal of Physical Chemistry. B106巻35号. 8917-8920 (2002)

  • [文献書誌] Satoshi Sakamoto: "Highly Efficient Catalytic RNA Cleavage by the Cooperative Action of Two Cu(II) Complexes Embodied within an Antisense Oligonucleotide"Nucleic Acids Research. 31巻5号. 1416-1425 (2003)

  • [文献書誌] Takeshi Nakanishi: "Cloning and Expression of the Superoxide Dismutase Gene from the Obligate Anaerobic Bacterium Desulfovibrio vulgaris (Miyazaki F)"Journal of Biochemistry. 133巻3号(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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