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2003 年度 実績報告書

超高速で過酸化物を分解する酵素系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 14560078
研究機関東京農業大学

研究代表者

新村 洋一  東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (00180563)

キーワードAmphibacillus / NADH oxidase / AhpC / 過酸化物分解
研究概要

Amphibacillus xylanus過酸化物分解酵素系は、NADH oxidaseとAhpCの2種タンパクから構成され、複数の官能基が関与する酵素系である。本酵素反応は、酵素反応の限界に近い高速で進行し、応用上極めて有利な特徴を有す。最近、A.xylanusの過酸化物分解酵素系とアミノ酸一次配列の相同性の高い(相同性70%)酵素系が高度好熱菌Thermus aquaticusに見いだされた。この酵素系の過酸化物に対する反応性はA.xylanusの酵素に対して著しく低いが、活性は安定で、NADH oxidaseとAhpCが複合体を形成することが報告されている。
昨年度の本報告で、2-メルカプトエタノール無添加のSDS-PAGEとそのウェスタンブロッティングからA.xylanusにおける複合体形成を見いだした。両タンパク間で複合体が形成された場合、AhpCのS-S結合とNADH oxidaseのCys480間でのS-S結合の形成が推定される。同様の方法を野生型NADH oxidaseとC480Sミュータントで行った。野生型ではAhpCとの複合体形成が観察されたが、C480Sでは観察されなかった。ウェスタンブロッティングによる解析では、アミノ酸残基間の局部反応の解析が中心となる。そこでさらに、DLS(動的光散乱法)法を併用して酵素タンパク分子間相互作用(複合体形成能)解析を試みた。野生型NADH oxidaseとC480SともにAhpCとのタンパク複合体形成が観察された。このミュータントで過酸化物分解活性が観測されたことから、このCys480はAhpCタンパクヘの電子伝達には関与せず、複合体形成は両タンパク分子表面の相互作用によるものが主で、Cys480によるS-S結合形成は隣接効果の結果、形成されることが示唆された。両タンパクの複合体形成はX線溶液散乱と超遠心分析により確認されたが、ゲル濾過法ではできなかった。複合体形成が確認された手法はすべて移動相が静置の系のため、複合体は極めて弱い結合力により形成されることが示唆された。この複合体形成がAmphibacillusのNADH oxidaseとAhpCが共同して高速反応性を発現するための鍵と推定される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Niimura et al.: "The NADH oxidase component of alkylhydroperoxide reductase. Reaction mechanism and physiological role in microorganisms"Flavins and Flavoprotein 2002. 393-398 (2002)

  • [文献書誌] K.Takeda et al.: "Distribution of Prx-linked Hydroperoxide Reductase Activity among Microorganismus"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 68. 20-27 (2004)

  • [文献書誌] S.Kawasaki et al.: "Purification and characterization of an H2O-forming NADH oxidase from Clostridium aminovalericum"Archi.Microbiol.. in press.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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