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2003 年度 実績報告書

新規なシクロデキストリン誘導体の合成とそのピロリ菌増殖阻害物質探索への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14560085
研究機関東海大学

研究代表者

北條 裕信  東海大学, 工学部, 助教授 (00209214)

研究分担者 和田 昭裕  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70253698)
キーワードシクロデキストリン / ピロリ菌 / 増殖阻害
研究概要

胃潰瘍の原因となるピロリ菌は、通常の血清を含む培地の代わりに環状の糖鎖構造を持つβ-シクロデキストリン(CD)でも培養する事ができる。この原因については、培地中に存在する生育阻害物質等をCDが空孔内に取り込み、それら物質の有効濃度を減少させることにより、菌の生育に有利な状況をつくり出すためではないかとの考えが提出されている。もし、その物質を特定することができれば、H.P.生育阻害活性の発現機構を解明し、新たなH.P.治療薬の開発へと発展させることも可能ではないかと期待される。そこで、筆者らは、全くUV吸収を持たないCDを誘導体化し、クロマトグラフィーの手法によって、効率よくCD-包接複合体を含む画分のみを取り出す手法を開発する事とした。
本年度は、昨年度合成したp-ブロモテトラフルオロ安息香酸、あるいはカルボキシルフルオレセインを持つβ-CD誘導体を用いてピロリ菌の培養を行った。両者ともβ-CDと同様にピロリ菌の増殖が観測された。前者を持つものについて培養上清を分析し、質量分析上で臭素由来の同位体分布を指標にCDの溶出場所の特定を試みたが、混在するタンパク質等のシグナルと重なってしまうため、困難であった。一方後者を用いて培養した上清をゲルクロマトグラフィーにより分析したところ、期待どおり、蛍光によって容易にCDの存在する分画を同定することができた。そこで、その分画を大量に分取し、質量分析系によって分子量を測定した。その結果、CDの分子量と同時に約100amu大きなシグナルが観測され、何らかの化合物を包接している可能性が示唆された。NMRによりその構造の解析を行ったところ、主にアルキル鎖由来のシグナルを示していることから、低分子の脂肪酸が包接されている可能性を見いだすことができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takemura T, Hojo H.Nakahara Y, Ishimizu T, Hase S.: "Application of Fmoc-amino acid carrying an unmasked carbohydrate to the synthesis of the epidermal growth factor-like domain of bovine blood coagulation factor IX"Org.Biomol.Chem.. 2. 133-136 (2004)

  • [文献書誌] Y.Nakahara, T.Nonaka, H.Hojo, Y.Nakahara: "Synthesis of an Unusual N-glycan-linked Dolichyl Pyrophosphate Precursor"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 1761-1766 (2003)

  • [文献書誌] Y.Takano, N.Kojima, Y.Nakahara, H.Hojo, Y.Nakahara: "Solid-phase synthesis of core 2 O-linked glycopeptide and its enzymatic sialylation"Tetrahedron. 59. 8415-8427 (2003)

  • [文献書誌] Y.Tanaka Y.Nakahara, H.Hojo, Y.Nakahara: "Studies directed toward the synthesis of protein-bound GPI anchor"Tetrahedron. 59. 4059-4067 (2003)

  • [文献書誌] K.Yamauchi, H.Hojo, Y.Yamamoto, T.Tanabe: "Enhanced cell adhesion on RGDS-carrying keratin film"Materials Science and Engineering C. 23. 467-472 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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