研究課題
1.アルドース還元酵素活性に及ぼすフラボノイドの影響ラット肝臓および腎臓ホモジネート可溶性画分を粗酵素として、各種フラボノイドのアルドース還元酵素活性に及ぼす影響を検討した。対照として用いたスルフレチンは100μM程度で阻害活性を示した。ケルセチン、ルチン、G-ルチン、イソラムネチンは1000μM程度で阻害活性を示したが、ヘスペリジンとカテキンは阻害しなかった。これらから、フラボン、フラボノールの7位に水酸基をもつこと、2、3位に二重結合をもつことが必要であることが示唆された。2.糖尿病ラットにおけるアルドース還元酵素活性と食餌フラボノイドの影響5週齢Wistar系にストレプトゾトシンを投与し糖尿病を誘発させ、1月間0.2%G-ルチン含む20%カゼイン食を給与した。糖尿病の発症により肝臓、腎臓、眼球のアルドース還元酵素活性とAGE含量は10〜20%程度上昇した。骨格筋には影響を与えなかった。G-ルチンの摂取はアルドース還元酵素活性および抗AGEおよび抗ピラリン抗体を用いたウエスタンブロットにより求めたAGE蓄積量を正常レベルまで低下させた。またアルドース還元酵素により生成する3-デオキシグルコソン濃度も酵素活性と同様の変化を示し、食餌フラボノイドがアルドース還元酵素を阻害することを明らかにした。3.プロテアソームによるAGE化タンパク質の分解本年度は可溶性画分のAGE断片を検出するため、抗AGE抗体を用いたELISA法を構築した。また、モデルとして、酸化修飾した骨格筋タンパク質を用いて分解系の関与を検討した。その結果、プロテアソームが顕著に分解することと、プロテアソームそのものが活性酸素に対して抵抗性があることを認めた。これは、グリケーションにいてもプロテアソームが関与できること示唆する。
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