研究課題/領域番号 |
14560094
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
横塚 弘毅 山梨大学, 工学部, 教授 (60020450)
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研究分担者 |
奥田 徹 山梨大学, 工学部, 講師 (10252008)
高柳 勉 山梨大学, 工学部, 助教授 (00252007)
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キーワード | ワイン / タンパク質 / フェノール / タンニン / 混濁 / 苦渋味 / 官能検査 / 呈味 |
研究概要 |
本研究では、ワイン中に存在するタンパク質が呈味に与える影響について検討する。平成14年度はワインタンパク質の調製を行った。タンパク質濃度が高いセミヨンワインを減圧濃縮し、硫安塩析法でタンパク質を回収した。得られた塩析物を透析し、さらに凍結乾燥した。42Lのワインから4.2gの凍結乾燥物が得られた。凍結乾燥物はSephadex G-100カラムクロマトグラフィーで分離し、フェノール類および多糖類を除去した。得られた画分を透析後、再度凍結乾燥した。また、ワインの主要なタンニン成分である種子由来のフェノール画分を調製した。ブドウ種子(約200g)よりエタノール抽出法でフェノール画分を調製し、珪藻土分配クロマトグラフィーによりフェノールの分子量別にモノマー、ダイマー、オリゴマーおよびポリマー画分に分離した。これらのの化合物を用いて、以下の実験を実施した。 フェノールの苦渋味に与えるタンパク質の影響を調べるためには、これらの化合物が混合後に遊離型または結合型として可溶性である必要があった。即ちフェノールがタンパク質または他のフェノールと結合し不溶化すれば、溶液中のフェノール濃度が減少することにより苦渋味が低減し、タンパク質の効果が立証できなくなるためである。そこで、20℃において、タンパク質単独、各フェノール画分単独、または種々の比率でこれらを混合し、3〜48時間後の混濁形成試験を行った。その結果、タンパク質単独およびモノマーまたはダイマーフェノール画分単独では、大きな変化は見られなかったが、オリゴマー、ポリマー単独または全フェノール単独ではかなりの量の混濁を生じ、フェノール濃度が減少することが明らかになった。種々の濃度にタンパク質を添加した場合、混濁量はさらに増加し、フェノールが沈殿した。
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