研究概要 |
1.青色色素の生成機構とメラノイジンの重合機構の解明 キシロースとグリシンを暗所、25℃で反応させ、青色色素(Blue-M1)を各種カラムクロマトグラフィーによりBlue-M1を単離・精製した。反応溶液の低分子画分を分画し、Blue-M1生成に関与すると考えられるジカルボニル化合物を2,3-ジアミノナフタレンと反応させ、逆相系HPLCで反応生成物をキシロソンおよび3-デオキシロソンと同定した。また、Blue-M1の前駆体である黄色色素(Yellow-M1)を検出した。Yellow-M1を25℃でインキュベートすると反応溶液が青変した。これにアマドリ化合物(Xylulose-glycine)を添加したところ、Blue-M1が生成した。 2.青色色素の抗酸化活性の測定 Blue-M1をリノール酸酸化系に添加し、抗酸化性を測定したところメラノイジンの抗酸化活性と同程度の強い抗酸化性が認められた。Blue-M1の活性酸素消去能をフェントン反応系でヒドロキシラジカル発生抑制活性をスピントラッピング剤であるDMPOを用いてESRによって測定した。またラジカル消去能をDPPHを用いてESRで測定した。その結果、Blue-M1には強いヒドロキシラジカル消去活性およびDPPH消去活性が認められ、メラノイジンの消去活性と同程度であった。また、Blue-M1のカルボキシル基をメチル化して、抗酸化活性を測定したところ、その活性には変化が認められなかった。以上の結果より、Blue-M1の抗酸化活性はピロロピロール構造およびメチン架橋のプロトンにより発現すると推察された。
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