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2003 年度 実績報告書

森林生態系を移動する水溶性有機物の微生物分解特性

研究課題

研究課題/領域番号 14560116
研究機関東京農工大学

研究代表者

戸田 浩人  東京農工大学, 農学部, 助教授 (00237091)

研究分担者 生原 喜久雄  東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
キーワードBDOC / DOC / 土壌微生物 / 呼吸基質 / 微生物カラム / バイオリアクター / 部生物培養 / 森林土壌
研究概要

近年,土壌微生物の呼吸基質として溶存有機態炭素(DOC=Dissolved organic carbon)が機能し,その呼吸速度を規定するという指摘がなされ,本研究でも本州の太平洋側で代表的なスギ,ヒノキ,アカマツ,ケヤキ,ミズナラのA_0層においてその強い正の相関を認めている。また,昨年度,森林においてDOC濃度が,降雨<林内雨<A_0層通過水の順に高くなるが,A_0層通過水から土壌表層で2分の1に低下することを明らかにした。DOC濃度が低下した理由は,土壌微生物の呼吸による消費と土壌への吸着が考えられるが,その構成比は明かでない。
以上のように,DOCのうち土壌微生物の呼吸速度と強い関係があるのは,易分解性DOC (BDOC=Biodegradable DOC)であるが,森林土壌系におけるBDOCのデータはまだ世界的にも少ない。昨年度から本研究では,BOOC測定装置のバイオリアクターの作成・調整をおこなっている。バイオリアクターは,タンク(微生物培養液又は分析試料入れ),ポンプ,カラムの3つの部分から成る。カラムとは,細長いガラス管に微孔性の発泡ガラスビーズを詰め,微生物を定着させた微生物フィルターとして用いる。今回は,上述のスギ,ヒノキ,アカマツ,ミズナラのA_0層抽出水を培養液として各3連,計12連を作成した。培養開始後,一定間隔で100%BDOCのグルコースを測定し微生物の定着を確認した。BDOC測定にはグルコースが90%以上分解されるまで,微生物を培養・定着させる必要がある。温度,流速,培養液濃度などを変えた試行錯誤の末,温度は20℃以上を保ち,流速は培養時0.25,測定時0.37ml/min, DOC濃度は10mg/Lに調整すればよいことがわかった。来年度は,この手法を用いて現地から採取した試料のBDOCを測定し,樹種間や季節による差異を明らかにして行く。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小柳信宏, 浦川梨恵子, 生原喜久雄, 戸田浩人: "スギ・ヒノキ壮齢人工林における降雨の移動に伴う溶存有機態窒素および溶存有機態炭素の動態"森林立地. 44・1. 11-20 (2002)

  • [文献書誌] 小柳信宏, 千原麻由, 生原喜久雄, 戸田浩人: "分解程度の異なる樹種別リターの炭素および窒素無機化特性"日本土壌肥料学雑誌. 73・4. 363-373 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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