研究課題/領域番号 |
14560133
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 浩之 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50210555)
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研究分担者 |
吉田 正人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30242845)
福島 和彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (80222256)
奥山 剛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00023482)
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キーワード | 広葉樹 / あて材 / 二次木部細胞壁 / ヘミセルロース / バイオメカニックス / マイクロメカニックス / セルロース / リグニン |
研究概要 |
(1)広葉樹あて材ゼラチン繊維の力学物性の解明(昨年度からの継続) 今年度は、樹幹を有するコハウチワカエデ、クヌギ、ケヤキの引張りあて材の各種物性発現機構に続いて、ユーカリ2種(E.globules, E.grandis,)を供試樹木に加え、その引張あて材の組織的特徴と物性との関係を実験的に比較検討した。コハウチワカエデ、クヌギ、ケヤキについては、とくにG繊維を含む引張あて材のヤング率が、乾燥に伴って劇的に増加すること、その直接原因として、ゼラチン層(G層)が水分放出によって急激に硬化するためであることを明らかにした。このメカニズムを説明するために、G繊維細胞の多層複合円筒状構造をモデル化し、ヤング率と含水率との関係を数値力学シミュレーションによって検討した。その結果、G層を構成するセルロース(重量比率にしてほぼ90%として)の結晶化度は、greenな状態では他の二次壁に比べて極めて低く(二次壁が50%に対しG層は22%程度)、水分放出によって次第に結晶性を増し、そのためにG繊維自体の弾性係数が増加することが推察された。 グランディスユーカリについては、幼齢時には傾斜刺激を受けた場合、明確なゼラチン繊維を形成するが、伐期に達した樹幹(14年生)ではG層を形成しないタイプ(見掛け上は正常繊維)の引張あて材を形成するような樹種であることが明らかになった。グロビュラスユーカリについては、この樹種は樹齢に関わらず明確なG繊維を形成するが、伐期に達した樹幹では、傾斜刺激を受けなくても不規則的にG繊維を形成する樹種であることが、わかった。 (2)G層の端離収集に関する予備試験 本年度は、G層を引張あて材プレパラート片から分離収集し、その成分比、結晶特性、水分吸着特性を検討する予定であったが、あらたな問題に直面した。プレパラートから単離したフラグメントが多量のG層を含むのは分かったが、同時に破砕した二次壁、道管要素壁、あるいは穿孔板と思われる塵状のフラグメントが混在しやすいことが分かった。樹種によっては微量ではあるが、分析に供するだけの量のG層フラグメントを得るには、何らかの工夫が必要と思われた。
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