研究概要 |
アミノ基を有するセルロース誘導体として、6-Amino-6-deoxycellulose(6-ADC)、およびその誘導体を選択し、その調製法を検討した。その結果、天然セルロースから3段階の反応で、6-ADCを得ることに成功した。この合成経路を利用して、C-6置換6-ADC誘導体(6-(N-phenylthiocarbamoyl)amino-6-deoxycellulose(6-PTADC))、およびC-2,C-3置換6-ADC誘導体(6-Amino-6-deoxy-2,3-di-O-decanoyl-cellulose(6-ADC-23D))の合成も行った。 また得られた6-ADC、およびその誘導体の機能性について調べたところ、6-ADCは、カドミニウイオンに対して、選択的吸着性を示した。また、6-PTADCと水酸化銅との加熱溶融物は、近赤外線吸収性を有することが判明した。 また一方、より高位置選択的な置換基の導入を図るため、グルコースオルトエステル誘導体の開環重合を利用した6-ADCの合成も検討した。その結果、6-ADCの任意の水酸基、またはアミノ基のみに置換基の導入する方法を確立した。
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