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2002 年度 実績報告書

樹皮スベリン芳香族部分の構造と生合成

研究課題

研究課題/領域番号 14560137
研究機関香川大学

研究代表者

片山 健至  香川大学, 農学部, 教授 (00152687)

研究分担者 鈴木 利貞  香川大学, 農学部, 助手 (80346634)
キーワードスベリン / コルク / 樹皮 / イチョウ / アベマキ / フェルラ酸エステル / カフェ酸エステル / フィーディング実験
研究概要

1.生合成中間体の探索:スベリン芳香族部分の前駆体と予想されるケイ皮酸エステル類を、アベマキ及びイチョウの外樹皮粉を用いて分析した。この結果、アベマキにおいてはカフェ酸エステルが、イチョウにはフェルラ酸エステルが多く存在することが示された。このことから、スベリン芳香族部分は樹種により異なる組成を持ち、アベマキにおいてはカフェ酸エステルが、イチョウにおいてはフェルラ酸エステルが主要な構成成分であることが示唆された。今後、他の生合成中間体と予想される物質の探索を行なうとともに、これら予想前駆体の詳細な定量実験も行なう。
2.モデル化合物の重合体分析:ケイ皮酸エステル類がどのように重合し、スベリン芳香族部分を形成しているのかを調べるために、モデル系としてフェルラ酸ブチル、カフェ酸ブチルを用いた脱水素重合実験を行なった。この結果、フェルラ酸ブチル重合物からβ-O-4'型,β-5'型、ジヒドロナフタレン型、ナフタレン型及びβ-β'型2量体を、カフェ酸ブチルからはβ-6'型及びジヒドロナフタレン型2量体の生成を確認した。このことからスベリン芳香族部分には上記の結合様式の存在が示唆された。
3.外樹皮分解物の分析:スベリン芳香族領域の結合様式を解明するために、抽出成分を除いたイチョウ外樹皮粉をメタノリシスし、分解物の分析を行なった。これによりフェルロイルオキシ脂肪酸メチル類と示唆される物質が得られた。今後、アベマキにおいても同様の操作を行ない分解物中の2量体を探索する。また、他の分解条件での分析も行なう。
4.フィーディング実験:^<14>Cで標識したρ-ヒドロキシケイ皮酸をアベマキ及びイチョウの若枝に投与した。現在、この基質がスベリン芳香族部分及び予想前駆体にどのように取り込まれているのかについて分析を進めている。また、他の基質を用いたフィーフィング実験も行なう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 北尾 晋介: "アベマキ樹皮におけるスペリン芳香族成分としてのρ-ヒドロキシケイ皮酸エスァル類の探索と生合成"第52回日本木材学会大会研究発表要旨集. 52. P21600 (2002)

  • [文献書誌] 片山 健至: "スベリン芳香族部分の構成要素としてのρ-ヒドロキシケイ皮酸エステル誘導体の検索:ジヒドロナフタレン型二量体について"日本木材学会中国・四国支部第14回研究発表会要旨集. 14. 52-53 (2002)

  • [文献書誌] 泉 大輔: "イチョウ樹皮におけるスベリン予想前駆体としてのρ-ヒドロキシケイ皮酸長鎖アルキルエステル類の探索と樹皮粗酵素によるモデル化合物の重合体構造"第53回日本木材学会大会研究発表要旨集. 53. P241030 (2003)

  • [文献書誌] 片山 健至: "アベマキ樹皮におけるスベリン予想前駆体としてのρ-ヒドロキシケイ皮酸長鎖アルキルエステル類の探索と樹皮粗酵素によるそのモデル化合物の重合体構造"第53回日本木材学会大会研究発表要旨集. 53. P241045 (2003)

  • [文献書誌] 片山 健至: "樹木の顔 樹木抽出成分の効用と利用"海青社. 25 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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