研究課題/領域番号 |
14560138
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橘 燦郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (10112319)
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研究分担者 |
伊藤 和貴 愛媛大学, 農学部, 助教授 (50253323)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (80172732)
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キーワード | タキソール / 抗ガン剤 / タキサン誘導体 / スペタロッチア菌 / 生合成前駆体 |
研究概要 |
イチイ属樹木、キャラボクから見出したタキソール生産能の高いペスタロッチア菌を用いて、(1)タキソールの生産のための最適培養条件を検討するとともに、その培養時に生合成前駆体等を添加して、タキソール生産性の向上について検討した。また、(2)ペスタロッチア菌のタキソール生産性を向上させるため、紫外線照射処理などによりタキソール生産能の高い菌の作出についても検討した。更に、(3)抗ガン性を有するタキソール及びタキサン誘導体を単離同定するとともに、イチイ属樹木、キャラボク以外のイチイ属樹木からタキゾール生産能力の高いペスタロッチア菌を探索することを試みた。 (1)ペスタロッチ菌の培養条件を変化させ、タキソール生産量を調べたが、その生産量を増加させることはできなかった。しかし、糸状菌の成育に最適な条件を見出すことにより、その生産量を増加できるのではないかと考え、検討中である。しかしながら、タキサン誘導体の生産を向上させる培養条件を見出した。タキソール及びタキサン誘導体の生産量が同時に増加する培養条件についても検討中である。また、培養液抽出物中に数種のタキソール及びタキサン誘導体が存在することを確認し、その単離を進めている。 (2)ペスタロッチア菌に紫外線照射を行い、よりタキソール生産能の高い菌の作出を試みたが、変異株は殆ど得られなかった。化学試薬によるタキソール生産能の高い変異株の作出について検討中である。 (3)ペスタロッチア菌の培養時に生合成前駆体等を添加し、タキソール生産性の向上について検討した。生合成前駆体を少量添加すると、その生産量は向上するが、大量に添加すると生産量は無添加のものよりも低下した。最適添加量について検討中である。また、エリシター添加によるタキソール生産量の向上についても検討している。ペスタロッチア菌が生産したタキソール量をイムノアッセイ法で簡便に定量できることも見出した。
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