研究課題/領域番号 |
14560149
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒井 修亮 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (20252497)
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研究分担者 |
小野 一彦 東洋通信機株式会社, パブリックシステム事業部, マネージャー(研究職)
坂本 亘 近畿大学, 農学部, 教授 (50013587)
吉村 哲彦 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40252499)
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キーワード | ウミガメ類 / 大回遊 / GPS / アルゴスシステム |
研究概要 |
近年のマイクロエレクトロニクスの急速な発展によって、海洋生物の行動生態研究に画期的な研究手法を適用するに至っている。特に、海洋を地球規模で大回遊するウミガメ類、クジラ類あるいはアホウドリなどの海鳥の追跡では、人工衛星を利用したアルゴルシステムが広範に利用されている。アルゴスシステムによる測位原理は、極軌道衛星にアップリンクした電話のドップラーシフトによるものであることから、原理的な測位精度の誤差が生じ、最善の測位でも150m程度の測位誤差がある。 本研究では、原理的に不可避なアルゴスシステムによる測位誤差を回避するために、Global Positining System (GPS)を組み合わせたGPS搭載アルゴス送信機を開発することを目的としている。 本研究期間内に、GPS搭載アルゴス送信機のプロトタイプを3種類製作した。これらの試作機をタイ国水産局(現海洋沿岸資源局)傘下のウミガメ保護ステーションの飼育池(約5ヘクタール)において、タイマイの甲羅に装着して実験を繰り返した。一連の実験の結果を踏まえて実海域実験をタイ国のアンダマン海側のパンガ県において、アオウミガメの雌成体を用いて実験を行った。この結果、GPSで得られた測位データはアルゴスシステムで正常に受信することができた。また、その位置情報は同時に得られたアルゴスシステムによる測位情報より格段に正確であることが示された。
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