• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

クロダイ放流が天然資源増大に及ぼす実証遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14560152
研究機関広島大学

研究代表者

海野 徹也  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (70232890)

研究分担者 中川 平介  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00034471)
坂井 陽一  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助手 (70309946)
島田 昌之  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助手 (20314742)
キーワードクロダイ / 放流効果 / マイクロサテライト / 遺伝標識 / 成長 / 生殖腺
研究概要

クロダイよりクロダイマイクロサテライト(以下MS)7マーカーを単離し、昨年度は放流種苗とその親魚間での親子鑑定を2年間実施した。さらに、今年度は親子鑑定に基づき、2000年と2001年に実際に放流された種苗と野生魚の識別をMSマーカーで試みた。
まず、2001年8月に広島市似島へ放流した種苗の初期生残を調査した。放流後2ヶ月にわたり、合計199尾の放流魚と天然当歳魚を捕獲した。これらを、MSマーカーにより放流魚と天然魚に識別した結果、放流後2ヶ月で58.8%(199尾中117尾)の放流魚が確認できた。この結果は、従来行われてきた耳石蛍光標識や鰭カット標識と同様であることから、MSがクロダイ放流種苗の遺伝標識に有効であることが確認された。
次に、2000年と2001年に放流した種苗についいて、2003年と2004年5月〜7月に捕獲調査を行い、開発した遺伝標識を用い、天然魚と放流魚の識別を行った。その結果、放流魚の混獲率は10%程度で、放流の成長は長期間経過しても天然魚と同等である事が判明した。また、放流魚が資源添加しているか否かの指標となる生殖腺の発達過程を調査したところ、放流魚の雌雄での生殖腺の発達様式や、性転換時期などは天然魚と同じであった。このことより、放流されたクロダイは順調に資源添加に貢献していると考えられた。今後は、毎年捕獲していた当歳天然魚の遺伝子頻度を放流魚と比較し、遺伝的側面から天然資源への添加状況を立証する予定である。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2021-08-20  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi