研究課題/領域番号 |
14560161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中村 修 北里大学, 水産学部, 講師 (00306648)
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研究分担者 |
神保 充 北里大学, 水産学部, 講師 (10291650)
天野 勝文 北里大学, 水産学部, 助教授 (10296428)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 粘膜免疫 / 魚類 / ガレクチン / congerin / ストレス / IgM |
研究概要 |
in situハイブリダイゼーションにより、ニジマス腸管における分泌型IgM発現細胞の分布を調べたところ、前腸、中腸、後腸部のいずれにおいても陽性細胞は粘膜固有層にまばらに散在していた。したがって、魚類腸管では哺乳類腸管におけるIgA産生のような活発な抗体産生は行われていないと考えられ、抗体以外の非特異的防御因子が、魚類消化管で歯より重要な役割を果たしていることが示唆された。そこで非特異的防御因子としてマアナゴの上部消化管に分布するガレクチン(congerin)について調べたところ、congerinは胃、腸では産生されていないが、胃や腸の粘液中に存在していることがわかった。また胃のホモジネートをもちいた消化試験では、ウシ血清アルブミンが30分以内にほぼ消失したのに対し、congerinは6時間経ってもほとんど減少せず、胃の消化に強い耐性を持つことが分かった。このことは、上部消化管で分泌されたcongerinが腸に到達し、生体防御因子として機能している可能性を示唆する。ストレスが及ぼす影響を調べたところ、皮膚のcongerin含量は水温低下刺激により一時的に減少した。免疫染色では同じ時期に棍棒細胞の染色が著しく減退しており、congerinの産生が減少したか、あるいは分泌が促進されたことがわかった。しかしストレス関運ホルモンであるコルチゾルの投与ではこのような変化は見られなかったことから、コルチゾル以外別の因子による影響を受けていると思われる。粘液細胞にはこのような変化は見られなかった。また上部消化管のcongerinには明瞭な変化が見られず、皮膚と消化管粘膜では制御機構が異なる可能性が示された。
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