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2003 年度 実績報告書

養殖魚の摂餌量促進のための自発摂餌システムの改良に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14560164
研究機関帝京科学大学

研究代表者

田畑 満生  帝京科学大学, 理工学部, 教授 (70041853)

キーワード自発摂餌 / ニジマス / 養殖 / スイッチ起動回数 / 連動 / 摂餌量
研究概要

これまでの自発摂餌の研究から、従来の給餌法には見られない特有の問題が2点浮かび上がってきた。第1点は、群れ飼育の場合にスイッチを起動する魚が少数に限られるため、群れ全体に給餌されても必ずしも群れ全体の魚の食欲を満たす給餌が行われない可能性があることである。第2点は自発摂餌装置が水槽ごとに必要なため高価になるという問題である。装置と経費の削減は養殖に応用する際の重要課題である。本研究では複数の自発摂餌装置のスイッチ信号を相互に利用する方法(以下「連動」と呼ぶ)を考案し、(1)スイッチ起動魚の増加、および、(2)自発摂餌装置削減の可能性について調べた。
各水槽にニジマス10個体以下からなる水槽を2基連動させ、合計9組の連動水槽(合計18水槽)を用いて実験を行った。その結果、連動によって9組とも1日当たりの摂餌量は増加した。連動期間中、連動水槽の一方でスイッチ起動の不安定、一時的停止など、他水槽依存の摂餌が原因と考えられる変化がみられた。しかし、連動によって信号が相互に補完されたため、連動されたそれぞれの水槽において安定した摂餌量が得られた。連動解除後のスイッチ信号変化と摂餌量を6組で測定した結果、12水槽中9水槽で解除直後にスイッチ信号数が増加し、安定した摂餌量が得られた。他の3水槽においても10日以内に摂餌信号数が増加し、摂餌量が回復した。
以上の結果から、自発摂餌水槽を連動させることによって、(1)両水槽のスイッチ起動回数が同等のレベルで加算的には増加しないが、合計起動回数は増加し、摂餌量は増加した。また、一方のスイッチ起動に変動があっても他水槽が補完的に機能するため、結果的には安定した十分な摂餌量が得られた。したがって、(2)これらの連動水槽の信号を自動給餌器に伝送すれば、自発摂餌装置がなくても自発摂餌と同様の給餌が行え、結果的に多数の水槽を用いた養殖でも自発摂餌装置の節減が可能となることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] W.-M.Chen, M.Tabata: "The influence of reward level on vertical distribution and growth of rainbow trout Oncorhynchus mykiss fed on self-feeders."Fisheries Science. 69・2. 331-336 (2003)

  • [文献書誌] W.-M.Chen, M.Tabata: "Individual rainbow trout can learn and anticipate multiple daily feeding times."Journal of Fish Biology. 61. 1410-1422 (2002)

  • [文献書誌] M.Naruse, M.Tabata: "Chronobiology of demand-feeding rhythm in the rainbow trout, Oncorhynchus mykiss."Fisheries Sciences. 68. 938-942 (2002)

  • [文献書誌] W.-M.Chen, M.Naruse, M.Tabata: "The effect of social interactions on circadian self-feeding rhythms in rainbow trout Oncorhynchus mykiss Walbaum."Physiolgy & Behavior. 76. 281-287 (2002)

  • [文献書誌] W.-M.Chen, M.Naruse, M.Tabata: "Circadian rhythms and individual variability of self-feeding activity in groups of rainbow trout Oncorhynchus mykiss (Walbaum)."Aquaculture Research. 33. 491-500 (2002)

  • [文献書誌] 田畑満生: "魚類の日周リズムと自発摂餌への展開研究"Nippon Suisan Gakkaishi. 68・3. 305-308 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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