研究課題/領域番号 |
14560174
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40292255)
|
研究分担者 |
仲地 宗俊 琉球大学, 農学部, 助教授 (70180312)
坂根 嘉弘 広島大学, 経済学部, 教授 (00183046)
岩本 純明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40117479)
坂下 明彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70170595)
杉原 たまえ 東京農業大学, 国際食料情報学部, 講師 (20277239)
|
キーワード | 農業史 / 自治村落 / 集落機能 / セイフティーネット / アジア諸国 |
研究概要 |
初年である本年度は、研究分担者による既存研究の整理、自治村落論をベースにした農業集落に関する理論的深化、農業集落の機能に関する具体的検討を目的として、研究会を2回開催し、あわせて沖縄県で農業集落調査を実施した。 第一回研究会では、京都大学東南アジア研究センターの藤田幸一氏から「ミャンマーの農村社会について」という報告をいただき、行政統治機構、地方自治、徴税、農村組織と農村社会構造との関連を、日本を中心とした他国との比較を中心に、討議を行った。また斎藤仁氏からは「農業集落をめぐる理論的・方法論的課題」というテーマで報告をいただき、中間理論としての農村社会理論と経済学との関連について、認識を深めた。さらに研究分担者から既存研究の検討を行った。 第二回研究会では、前回に引続き斎藤仁氏のコメンテータとして参加のもと、沖縄国際大学の来間泰男氏から「沖縄農業と農村社会構造」について報告をいただき、封建時代が欠落した琉球王朝時代以降における沖縄の村落社会の特徴を、日本本土の村落社会のと比較しつつ、討議した。琉球王府の地方行政制度、農業生産力の水準、薩摩藩による支配機構と収奪等により、村落社会の自治能力が、本土のそれと比較して相対的に弱いことが、相違の根本にあったことを確認した。さらに、研究分担者から、インドネシアの労働慣行、及び山形県における農業集落機能の変化と現状について、報告を行った。 同時に行った沖縄県国頭郡今帰仁村での聞取り調査では、集落長から村落統合の重要行事である祭祀の実施、特に「ノロ」といわれる女性神官の社会的地位とその継承問題、市町村行政と集落業務の関連、地域振興等について、説明を受けた。
|