研究課題
基盤研究(C)
本研究は、欧米諸国で展開しつつある経済教育プログラムをベースとした新しい産業教育理論をもとに欧米諸国と日本の産業教育、とりわけ農業教育に焦点を充てて、そのシステムを比較検討しながら、効果的な教育の実践課題について分析を加えることを目的とした。研究目的への接近方法として、欧米諸国における産業教育の動向と農業教育についての実態調査を行い、合わせて、日本国内での農村青少年教育活動として4Hクラブ、FFJ(農業高校のプロジェクト活動)等を取り上げ、その実態調査を実施した。以上の調査研究から得られたオリジナルデータをもとに若年者を対象とした農業教育の国際比較研究に発展させるのが、本研究の意図である。本研究においては。研究初年度にドイツ、イギリス、2年次にはアメリカ、3年次にイタリアと欧米諸国での農業教育実態の調査研究を行ってきた。それらを通して、欧米諸国では農業教育に関する取り組みが広い範囲で行われているとともに初等・中等教育機関をはじめ、大学等の高等教育機関においても、実践的な取り組みがなされており、その比較検討の中から日本における農業教育の実践課題が明らかとなってきた。欧米諸国に学ぶベストプラクティスとして、教育機関に付随して普及システムが効果的な役割を果たしているという、いわばシステムの総合化があげられる。この調査を通して得られた知見をもとに、栃木県農業改良普及事業に対して共同研究の企画を提案し、その合意を得ることができた。そこでは、農業教育をより実践的に家族カウンセリングという領域でとらえ、家族カウンセリング理論を整理するとともに、農業改良普及員に対してのセミナーを実施した。この取り組みは今後、県内各地域で順次実施する計画である。本研究でとりまとめられた農業教育の実践課題は、具体的な活動として発展しつつある。
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農林統計調査 54
ページ: 10-15
技術と普及 41
ページ: 26-29
Agricultural Statistics Vol.54
Technology and Extension Vol.41
Farming, Food system(Edited bv INAMOTO)(The association of Agricultural Statistics)
ページ: 113-130