本年度は、(1)国家貿易企業についての文献・資料の収集、(2)カナダの穀物販売・輸出システムとカナダ小麦局の改革に関する調査を実施した。前者についてはOECDでの国家貿易企業についての議論やカナダの農業経済研究者の議論を中心に文献サーベイを行い、国家貿易企業が農産物市場に及ぼす影響などWTO農業交渉で検討されている論点について検討を加えた。後者については、カナダ連邦政府農業・食料省の担当者にインタビューを行い、あわせてカナダ小麦局、カナダ統計局において関連資料の収集を行った。平原諸州の穀物農場の経営状況や連邦政府・州政府の農業セーフティネット政策についても、カナダの穀物輸出力に大きな影響を及ぼすので、資料を収集して検討しているところである。99年のカナダ小麦局の組織改革を経て、穀物販売・輸出事業のあり方がどのように変わってきたかについて、現在資料を分析しており、その成果をふまえて次年度のオーストラリアとの比較検討を行いたい。
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