研究課題
基盤研究(C)
1986年より2003年に至る「農村開発データベース」のデータを用いた農業生産関数の計測結果は、統計学的にも、経済学的にも納得できるものでなかった。代替策として、中央平原のスパンブリ県の3か村(Wang Yang村、Jora Kae Yai村、Sa Ka Chom村)で、1987年と1998年とを調査対象年として、Ohtsuka、Isvilanonda、およびHossain等がおこなった農家経済調査の個別結果表の提供を受けた。これらデータを用いた生産関数の計測結果は、統計学的にも、経済学的にも良好であった。この結果を用いて労働の限界生産力を推定し、それらと賃金率とを比較した結果、サンプル平均値によれば、農家家計は合理的に労働投入をおこなっているが、個別サンプルによれば、2/3の農家家計が労働投入を合理的におこない、1/3の農家家計が過剰労働投入をおこなっていたという結果を得た。新谷(研究代表者)が、Ohtsuka等と同一の3か村にて、2002年を調査対象年として、農家経済調査を実施した。調査結果を用いた生産関数の計測結果は、良好であった。この結果を用いた労働の限界生産力と賃金率との比較結果も、Ohtsuka等のデータを用いて得た結論と同一であった。したがって、使用したサンプルから得られた結論として、平均値としてみた場合、農家家計に過剰就業が存在しないが、個別農家家計の一部に過剰就業が存在しているといえる。なお、生産関数として、伝統的な生産関数と確率的フロンティア生産関数とが計測された。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
西南学院大学経済学論集 第38巻・第3号
ページ: 163-186
西南学院大学経済学論集 第38巻・第4号
ページ: 209-243
東京大学東洋文化研究所紀要 第145冊
ページ: 265-292
The Economic Review of the Seinan Gakuin University Vol.38, No.3
The Economic Review of the Seinan Gakuin University Vol.138, No.4
The Memoirs of the Institute of Oriental Culture No.145