研究概要 |
文献調査等により、グリーンツーリズム(以下GT)に関する活動によって集落空間が維持されている事例と集落空間の変容が著しい事例6ヶ所(長野県の飯山市柄山集落、大鹿村北入一集落、浪合村荒谷集落、小川村成就集落、新潟県の高柳町高尾集落、大島村旭地区)を選定した。その後、選定した集落におけるGTの開発時点から現時点までの、(1)GTの開発経緯及び概要、(2)GTと関連した集落空間の変容、を把握するため、現地踏査及び自治体担当者、施設運営者、地域住民に対するヒアリング調査を行った。ヒアリング調査の際には、航空写真、住宅地図、地形図(1:2,500または1:5,000)等によりキャドソフトを用いて作成した調査対象集落の白地図を用いてその変容した場所を確認した。その結果、GTに関する活動による農村集落空間保全の可能性を示唆している長野県浪合村の荒谷集落を本調査地として選定した。また、GTと関連した集落空間変容調査の結果(例.山林→GT施設敷地(6ha)、グラウンド・畑→駐車場・建物(1.5ha)、耕作放棄地・農地→農園(2ha))により、GTと集落空間変容との関係の類型化(保全型、改変型、無関係型)を行った。そこで、全国におけるGTと集落空間変容との関係を把握するため、北海道・沖縄・海沿いの自治体を除外した全国1,193の中山間自治体に対するアンケート調査を実施した。回収数は520件となり、回収率は43.6%となった。現在は、そのアンケート調査データの入力及び集計が終わって、分析に取り組んでいるところである。
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