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2004 年度 研究成果報告書概要

界面活性済が土壌への水浸潤に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14560198
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 農業土木学・農村計画学
研究機関岡山大学

研究代表者

石黒 宗秀  岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (00294439)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
キーワード毛管上昇 / 接触角 / 浸潤 / アニオン界面活性剤 / 表面張力 / 飽和透水係数 / 吸引圧
研究概要

界面活性剤は,洗剤・シャンプー・肥料や農薬の添加剤として利用され,多量に環境中へ放出されている.そのため,土壌環境中への影響も懸念される.ここでは,アニオン界面活性剤が土壌への水浸潤に及ぼす影響を明らかにするため,種々濃度のドデシル硫酸ナトリウム溶液(SDS)を乾燥試料カラムに毛管浸潤させ,その浸潤前線の変化を測定した.
まず,砂・ガラスビーズの無機物と,腐葉土・ピート・ポリエチレン粒子の有機物を試料として,毛管上昇浸潤試験を行い,各試料の浸潤特性を明らかにした.純水を浸潤させたところ,毛管上昇高は,水との親和性を示す接触角の小さい順に対応して,ガラスビーズ>砂>腐葉土>ピート>ポリエチレン粒子の順に高くなった.700mmol/1の高濃度SDS溶液の毛管上昇高は,腐葉土を除いて,無機物・有機物とも溶液との接触角に大きな差がないことを反映して,類似した実験結果となった.これは,界面活性剤による有機物表面の水との親和性増大に起因する.腐葉土は,活性剤添加に伴い膨潤率が増大して透水性が大幅に低下し,浸潤が抑制された.ダルシー則を用いた浸潤方程式を提案し,浸潤初期の毛管上昇が,この式で近似出来ることを明らかにした.
この計算毛管上昇式を用いてSDS溶液の影響を明確にした.親水性無機試料のガラスビーズ・砂では,SDS濃度増加に伴い,溶液の表面張力低下のため浸潤が遅くなった.疎水性有機試料のポリエチレン粒子・ピートでは,SDS濃度増加に伴い,主に前進接触角減少のため浸潤が速くなった.腐葉土では,SDS濃度増加に伴い浸潤が遅くなった.これは,高濃度になると膨潤性が増し,透水性が低下したためと推測された.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2005 2004 2003

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 土・多孔質体中の毛管上昇浸潤に及ぼすアニオン界面活性剤溶液濃度の影響2005

    • 著者名/発表者名
      石黒宗秀・藤井和知・赤江剛夫
    • 雑誌名

      農業土木学会論文集 第236号

      ページ: 53-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Capillary Rise Infiltration into Soils and Porous Media as Affected by an Anionic Surfactant Concentration2005

    • 著者名/発表者名
      Ishiguro, M., Fujii, T., Akae, T
    • 雑誌名

      Transactions of JSIDRE 236

      ページ: 53-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 有機及び無機土壌・多孔質体中への毛管上昇浸潤と高濃度アニオン界面活性剤溶液の作用2004

    • 著者名/発表者名
      石黒宗秀・藤井和知
    • 雑誌名

      農業土木学会論文集 第230号

      ページ: 85-90

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Capillary Rise in Organic and Inorganic Soils and Porous Media, and Effect of High Concentrate Anionic Surfactant Solution2004

    • 著者名/発表者名
      Ishiguro, M., Fujii, T
    • 雑誌名

      Transactions of JSIDRE 230

      ページ: 85-90

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 表面・界面工学大系 下巻2005

    • 著者名/発表者名
      廣川 一男
    • 総ページ数
      1361
    • 出版者
      テクノシステム
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] Compendium of Surface-Interface Engineering, Book 22005

    • 著者名/発表者名
      Hirokawa, K
    • 総ページ数
      1361
    • 出版者
      Techno-System ; Tokyo
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 土のコロイド現象2003

    • 著者名/発表者名
      足立 泰久, 岩田 進午
    • 総ページ数
      451
    • 出版者
      学会出版センター
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] Soil Colloidal Phenomena2003

    • 著者名/発表者名
      Adachi, Y., Iwata, S
    • 総ページ数
      451
    • 出版者
      Japan Scientific Societies Press : Tokyo
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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