研究概要 |
平成14年度は,パイプライン用の圧力計とA/Dコンバーターを購入し、自動減圧弁と固定流量・直動式の定流量弁を組み合わせたセミクローズドパイプラインを導入した地区において,自動減圧弁が過剰に開閉し,これが収束しないで大きな圧力変動が長時間継続する状況を計測した.現場調査でのデータを分析したところ,自動減圧弁と定流量弁の間に自励振動が発生し,過剰な圧力が発生したものと予想された. この計測システムを,新型自動減圧弁と固定流量・直動式の定流量弁を直列に設置した屋内のポンプ加圧の実験パイプラインに適用し,逃し弁を調節して,自動減圧弁の1次側の圧力を設定圧に制御し,実験パイプラインの末端バルブを種々の使用条件で操作して,様々な圧力・流量変動状態を発生させ,減圧弁と定流量弁の作動状況を検証した.屋内試験の結果からは,流量固定・直動式定流量弁は圧力変動に対する適切な制御性が確保できており,さらに自動減圧弁と流量固定・直動式定流量弁の組み合わせにおいても,明確な自励振動が発生しないことを確認した. 現地試験と屋内試験の結果の違いから判断すると,自動減圧弁と定流量弁の間の自励振動発生については,管路の特性,特に延長と剛性の違いが何らかの影響を与えていると考えられる.平成15年度は,自動減圧弁と定流量弁の数値モデルを作成して,数値計算結果と実験結果の比較による検証を加え,自励振動発生のメカニズムについて検討を加える予定である.
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