研究概要 |
1.石川県富樫用水とその下流河川において,魚類調査および文献調査を実施した.その結果,多くの回遊魚が木呂川と富樫用水へ遡上していないこと,純淡水魚は種によって分布範囲が異なることなどが明らかになった. 2.石川県宇ノ気川流域において,淡水魚類の冬季の分布を調査した.その結果,河川と農業用水路では生息魚種が類似していること,移入魚の生息密度が高いこと,メダカが下流〜中流域に分布していることが明らかになった. 3.手取川,庄川,常願寺川の3扇状地の農業用水路を対象とした生態系調査の結果を整理し,地形に差異があること,3扇状地とも扇頂部では水生植物が皆無であること,湧水性の生物が共通してみられることなどがわかった. 4.愛知県大江排水路において,水理・水質,淡水魚類,プランクトンを対象とした調査を実施し,植生帯やワンド状の停留域,水路底への砂礫敷きなどの環境配慮工法の追加を提言した. 5.岐阜大学構内の鷭ヶ池において,プランクトンと水質調査を実施して,セルオートマトン法を用いたプランクトンの動態モデルを構築し,本法によるプランクトンの動態予測の可能性を示唆した.
|