研究概要 |
1.本研究の目的は、釣獲イカの内、成体イカのみを市場出荷し、海洋投棄されていた未成体イカを再放流して成体後に再釣獲するための基礎技術を開発することにある。 2.研究計画は次の4項目である。1)魚体損傷防止のための釣獲技術の開発、2)釣獲イカの収集および大小仕分けシステムの確立、3)イカの効率的な動作機能の低下方法の確立、4)未成体イカの再放流システムの確立。 3.計画の達成度: 平成15年度の研究計画の内、1)「魚体損傷防止のための釣獲技術の開発」は、ほぼ研究目標を達成した。脱鈎後の落下衝撃力の緩和方法について提案した。次に、脱鈎後にU字型のシュートにより甲板の左右舷側へ収集される工程において、魚体表粘膜の損傷発生などにより体力低下が危惧されるので、特殊コンベヤにより,イカの移送速度とコンベヤ速度の関係を検討し,釣獲イカの魚体表粘膜の損傷を緩和する収集および移送方法について提案した。 2)「釣獲イカの収集および大小仕分けシステムの確立」は、昨年度に研究目標をほぼ達成した。 3)「イカの効率的な動作機能の低下方法の確立」については、漏斗から吐水させることで体幅の変動を防止することにより、高精度な大小仕分けを可能にし、昨年度、研究目標をほぼ達成した。 4)「未成体イカの再放流システムの確立」については、研究目標をほぼ達成した。すなわち、釣獲イカを自動脱鈎した後,衝撃緩和装置,収集シュート,泡沫分離装置付貯留水槽,特殊コンベヤ,外套膜内包含水の被吐出装置および噴水ロール式大小仕分け機の各種装置を組み合わせ,釣獲未成体活イカのスムースな再放流を可能にした。 4.研究遂行上生じた学術上の問題等 特に問題等は生じていない。
|