研究概要 |
本研究はロボットと人間が協調して作業を行うテレロボティクスの開発を最終目標としており,今年度はカラーカメラとレーザ距離計を搭載した情報収集ロボットの開発,およびネットワークの基礎実験を行った。なお本研究では,トマトの収穫作業を対象とした。 まず情報収集ロボットに関しては,カラーカメラとレーザ距離計を昇降装置で上下移動させて画像と3次元距離情報を取得した。両情報を融合し,画像の色情報から熟した果実を抽出し,それに対応する3次元距離情報の領域に対して一次微分フィルタ(ソーベルフィルタ)を用いてエッジを検出し,各果実の識別を行った。その結果,同一果房内の果実の識別がほぼ良好に行われた。 ネットワークにおいては,現在最も普及しているインターネット回線を利用し,特別な通信手段を用いなくとも,作業者が遠隔地から圃場を管理できるシステムとした。情報収集ロボットで得られた情報は,無線LANを介してサーバに送信され,果実の認識,識別,距離検出が行われ,その結果がデータベースとして保存される。作業者は任意の時間にサーバへアクセスして,サーバの判断をチェックし,修正があればモニター上で操作を行う。ビニルハウス内で栽培したトマトを対象に実験を行った結果,圃場内の情報はデータベースとしてサーバ内に保存され,サーバの判断に対して人間が修正を加えた場合においても,正しく再計算が行われた。 次年度以降は,収穫ロボットを含めたシステム全体の検討を行う予定である。
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