研究概要 |
植物生産現場で発生する生産過程に関する情報を効果的に収集・表現・公開する方法について検討した。植物生産情報の活用と、高度植物生産システム構築とを促進するため、一作の植物生産情報を統合化するBIX-pp(Bio-information Exchange for Plant Production)を提案した。この目的で、商取引に関する情報を標準的な書式に統一して企業間で電子的に交換するEDIの手法を取り入れ、生産過程の情報について記録した集合体の記述にはXML形式を採用した。BIX-ppで表現すべき情報の種類を整理し、スキーマ言語であるXML Schema 1.1を用いて記述することで定義した。そして、この定義を,URI(Uniform Resource Identifier)による一意な名前空間(ネームスペース)としhttp://w3.fb.u-tokai.ac.jp/BIX-pp/XML.Schemaで表現した。続いて、生産者、品種、生産施設、栽培管理作業、環境計測、生育調査、生育画像の各データが含まれる植物生産情報をBIX-ppで記述し、BIX-ppが本研究目的に合致して有用に機能するかどうかを確認するために、Visual Basic.NETとJava言語を用いて、合計12種のアプリケーションプログラムを試作して、評価した。BIX-ppの使用により、たった一つのファイルだけで、その植物生産に関する全情報を統合し、過去の生産を臨場感高く、しかも、自在にコンピュータで再現できた。BIX-ppを植物生産に関するアプリケーションプログラムの情報入力の標準形式にすることができれば、プログラムの再利用性と汎用性を高めることができる。さらに、情報の構造や意味の定義もアプリケーションプログラムに同時に入力できるので情報処理作業が容易化し、一層の植物生産情報の利用促進が期待できる。
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