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2002 年度 実績報告書

有用野草の種子増殖による草地造成技術開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14560225
研究機関宮崎大学

研究代表者

西脇 亜也  宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)

研究分担者 槐島 芳徳  宮崎大学, 工学部, 講師 (10253808)
キーワード有用野草 / 種子繁殖 / 種子採取機械 / 緑化 / 採取効率 / 冠毛 / 種子休眠 / チガヤ
研究概要

有用野草の種子増殖による草地造成技術開発に関して、有用野草であるチガヤの種子繁殖特性を検討した。さらに、冠毛の存在により収穫が困難なチガヤの種子採取方法について、採取機械を考案し、その作業効率を検討した。具体的には、種子繁殖特性については、チガヤには種子休眠性の深い系統と淺い系統が存在し、これらは形態や生理・生態的な特徴が異なることが明らかとなった。両系統を緑化方法や立地によって使い分けることで効率的な緑化が可能であると考えられる。
エンジンブロアーの吸引によって種子を採取する方式を考案し、チガヤ種子の採取効率を手取りのそれと比較検討した。その結果、単純に吸引しただけでは手取りと大差ない採取効率であったが、吸引口にプロペラを取り付け、回転するプロペラによって穂をしごきながら吸引する方式の場合、単位時間あたり手取りに比べて1.5培から2倍程度の種子量が採取可能となり、単位時間あたりの種子採取量は機械方式が手取りに比べて有意に多い結果となった。吸引口にプロペラを取り付けることで採取効率は向上した。
しかしながら、5分あたり20g程度の種子採取量では現実には採取された種子のコストはかなり大きくなるので、さらなる改良が必要である。吸引ホース中を流れる空気のパワー損出と吸引風圧で回るプロペラのパワー不足が低い採取効率の原因と考えられた。そこで、吸引ホースを取り外し、エンジン回転部分に直接取り付けてある風を送るプロペラを露出させ、そのプロペラで穂をしごきながら吸引する方式に改良した。その結果、採取効率は大幅に改善され、単位時間あたりの種子採取量は機械方式が手取りに比べて約28培となった。5分あたり100g以上の種子が採取された。この方式では、1人の作業者による半日、もしくは1日の作業によって数kg以上の種子が採取可能であり、実用可能であると考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Saitoli T, Seiwa K, Nishiwaki A.: "Importance of physiological integration of dwarf bamboo to persistence in forest understorey : A field experiment"Journal of Ecology. 90(1). 78-85 (2002)

  • [文献書誌] Nariyasu Watanabe, Aya Nishiwaki, Kazuo Sugawara: "Dissemination of Carex albata Boott seeds by grazing cattle"Grassland science. 48(2). 142-145 (2002)

  • [文献書誌] 水口亜樹, 西脇亜也: "チガヤにおける開花時期の異なるタイプ間の種子発芽特性の違い"日本草地学会誌. 48(3). 216-220 (2002)

  • [文献書誌] 西脇亜也, 寺本めぐみ: "九州地域の麦作におけるイタリアンライグラス・カラスムギの発生実態-農業改良普及センタへのアンケート結果-"日本草地学会九州支部会報. 32(2). 17-21 (2002)

  • [文献書誌] 水口亜樹, 西脇亜也, 杉本安寛: "開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica(L.)BEAUV.)2タイプ間の形態的差異"日本草地学会誌. (印刷中).

  • [文献書誌] 水口亜樹, 西脇亜也, 小山田正幸, 杉本安寛: "宮崎大学構内における開花時期の異なるチガヤ(Imperata cylindrica(L)BEAUV.)2タイプの分布"宮崎大学農学部研究報告. (印刷中).

  • [文献書誌] 西脇他: "生態学事典"日本生態学会、共立出版社. 708 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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