• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

肝蛭は単一種か?:既存2種の交雑実験による証明

研究課題

研究課題/領域番号 14560243
研究機関岩手大学

研究代表者

板垣 匡  岩手大学, 農学部, 助教授 (80203074)

キーワード肝蛭 / Fasciola hepatica / Fasciola gigantica / 感染実験 / 交雑実験 / ITS / DNA
研究概要

本年度は両種肝蛭(Fasciola hepaticaおよびF. gogantica)に感受性を持つ新たな実験小動物の発見を検討した。すなわち、多くの寄生虫種に対して高い感受性を持つことが知られているラット、スナネズミ、キヌゲネズミを用いた感染実験で、両種肝蛭に感受性のある実験動物を特定し、実験感染の条件(最適メタセルカリア投与数、虫体成熟までの期間など)を明らかにすることを目的とした。
(材料と方法)当研究室で実験室内維持している両種肝蛭から虫卵を採取し、それを培養して孵化させたミラシジウムをヒメモノアラガイへ感染させた。感染貝を約2ヵ月間飼育し、そこからメタセルカリアを作出した。各種動物10〜20匹にメタセルカリア2〜10個を経口投与し、感染動物の健康状態・死亡の有無等を観察しながら感染後2〜3ヶ月で殺処分し、肝臓・胆管内の虫体の有無、感染率、肝臓病変の程度、さらに回収虫体の圧扁固定・染色標本を作製して虫体の発育状態を観察した。
(結果)F. hepaticaは3種の実験動物に感染することが明らかとなった。ラットでは投与したメタセルカリアの20〜30%が成虫となって胆管より回収され、死亡する動物も少なかった。しかしスナネズミおよびキヌゲネズミは感受性が著しく高く、幼若虫が肝実質で発育する時期に感染動物の多くは死亡したため、成虫は得られなかった。一方、F. giganticaはこれらの動物への感染性は殆ど認められず、成虫は全く得られなかった。以上のことから、ラット、スナネズミおよびキヌゲネズミは両種肝蛭の共通の実験的終宿主とはなり得ないことが明らかとなった。従って、次年度はヤギを用いた感染実験を行うこととした。

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi