研究課題/領域番号 |
14560258
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大和 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (80261337)
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研究分担者 |
前出 吉光 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40002084)
田島 誉士 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90202168)
落合 謙爾 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80214162)
山崎 真大 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40322846)
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キーワード | ライソゾーム病 / 蓄積病 / ガングリオシドーシス / ガングリオシド / 動物モデル / 疾患モデル / 犬モデル |
研究概要 |
ライソゾーム蓄積病は、ライソゾーム酵素の遺伝的異常などにより、当該酵素に対応する基質がライソゾーム内に過剰に蓄積し、細胞障害ひいては臓器障害を引き起こす全身性疾患である。本研究では、将来的に新規治療法開発に応用可能な動物モデルを確立する目的で以下の実験を行った。 1.柴犬のGM1ガングリオシドーシスのモデル化とそのスクリーニング法の開発 これまでの研究により、本疾患の責任変異は、イヌGLB1遺伝子エクソン15上にある1668番目のCの欠失であることが判明している。したがって、この変異を認識して個体の遺伝子型を簡易に判別するPCR-RFLP法(遺伝子診断法)を開発した。また、遺伝子診断法を用いてスクリーニングして分類した3種の遺伝子型個体群について、組織(白血球、臍帯など)のβ-ガラクトシダーゼ活性を測定したところ、本酵素活性でもほぼ3つの遺伝子型を分類することが可能であった。さらに、ホモ接合体では、CSF中のGM1ガングリオシド濃度およびAST活性が月齢に依存して増加することが明らかとなったため、これらのパラメーターが本疾患の簡易診断に応用できるだけでなく、新規治療法を試行した場合の効果判定に重要な役割を有すると考えられた。 2.Sandhoff病の診断法(スクリーニング法)の開発 犬のβ-hexosaminisaseAおよびBの測定に適した人工基質とその測定条件を検討した結果、これらの活性を評価するためには、アイソザイムAおよびBに特異的な4-methylumbelliferyl-N-acetyl-beta-D-glucosaminide(4-MU)ならびにアイソザイムAのみに特異的な4-MU-6-sulfateを用いれば、Sandhoff病のみならず、アイソザイムAのみの異常に起因するTay-Sachs病やGM2活性化蛋白の異常に起因するABバリアントも鑑別可能であることが明らかとなった。さらに、CSF中のGM2ガングリオシド濃度測定法を開発することで、臓器を使用しない本症の診断法を確立できた。
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