研究課題/領域番号 |
14560270
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
泉澤 康晴 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (60193380)
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研究分担者 |
桐澤 力雄 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (70153252)
林 正信 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (10130337)
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キーワード | 腫瘍 / 放射線治療 / アポトーシス / サイトカイン / 放射線感受性 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
本研究は腫瘍の放射線治療時における腫瘍細胞のアポトーシス誘発感受性と種々の遺伝子異常との関連性を明らかにし、また、放射線治療時におけるアポトーシス誘発や正常組織障害の発生におけるサイトカインの役割を明らかにすることを目的として今年度は以下のような結果を得た。 1.腫瘍の放射線治療効果の解析:放射線治療効果に対するアポトーシス誘発の影響を解析するために、前年度に引き続き、イヌ、ネコの個々の腫瘍例における治療効果について検討した。放射線単独または化学療法との併用時にリンパ腫、鼻腔腺腫、脳腫瘍、唾液腺癌、未分化肉腫などで良好な治療成績を得られた。一方、肺などに転移のある末期悪性腫瘍で、軟骨肉腫、悪性黒色腫、線維肉腫、扁平上皮癌などで治療効果が小さいなどほぼ前年度と同一の結果が得られ、放射線治療の指針を確立するための知見が得られた。 2.放射線治療時における副作用の検討:個々の個体の放射線の感受性、副作用を解析するためにコメット法を用い、定法ではイヌ血液に適用することが困難であることを示し、イヌ血液のための改良したコメット法を開発した。 3.アポトーシス誘発経路の解析:腫瘍の放射線治療における温熱療法との併用効果を検討するため、温熱処理時におけるアポトーシス誘発におけるJNK/SAPKとp38mapkの寄与を検討し、通常はJNK経路が主として作用しているが、阻害剤でこの経路を阻害した場合、p38mapkの経路がアポトーシスの誘発を引き起こすことを示した。 4.サイトカイン検出・定量法の検討:動物の主要なサイトカインを組換えタンパク質として発現させ、それらを用いて抗体を作成し、サンドイッチELISA測定系を確立した。これらの系を利用して炎症反応の病態や免疫活性化機序についてのサイトカインの影響の検討が可能となった。
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