研究課題
基盤研究(C)
1)本研究ではPCR法を用いてライム病流行地の森林に生息する野生ネズミからエーリキアDNAを検出した。そして、16S rRNA領域の比較から海外ではヒト単球エーリキア症の原因菌Ehrlichiachaffeensisと近縁のE.murisに非常に近似したものであることを明らかにした。E.murisに近似したエーリキア様細菌は日本各地のネズミから検出されている。今回の結果は、北海道の野生ネズミにおいて、やはりE.murisに近似したエーリキア様細菌が存在することを示したものである。2)アフリカ大陸の家畜などの風土病である心水病の起病病原体E.ruminantiumをAmblyomma属マダニから検出した。pCS20領域、および主要抗原蛋白遺伝子領域の比較から検出したE.ruminantium DNAは今までに報告のあったものとは異なる新しいgenotypeであることがわかった。従来、スーダンではUm Banein株以外にE.ruminantiumに関する報告はなかった。今回得られた結果から、スーダンにはUm Banein株以外のE.ruminantiumが存在することが明らかとなった。また、この知見はアフリカおよびカリブ海地域の心水病流行地域における疫学に重要な要素を加えるものと考えられる。さらに、わが国のエーリキアとの分子生物学的比較により、このアフリカ大陸由来のエーリキアは、日本で検出されたエーリキアとは明確に異なるものであることが分かった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Jpn J Infect Dis.(Receipt No.; MS2739) (Under submission)
Emerg Infect Dis. (In preparation)