研究課題/領域番号 |
14560282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
鮫島 一彦 高知大学, 農学部, 教授 (50038254)
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研究分担者 |
藤原 新ニ 高知大学, 農学部, 教授 (50036753)
櫻井 孝志 高知大学, 農学部, 助教授 (70178614)
伊藤 慶明 高知大学, 農学部, 教授 (20140337)
櫻井 克年 高知大学, 農学部, 教授 (90192088)
岩崎 貢三 高知大学, 農学部, 助教授 (40193718)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | ケナフ / 繊維作物 / 栽培 / 紙パルプ / 繊維長 / 粘度 / ケナフ種子 / タンパク質 |
研究概要 |
繊維作物であるケナフは、紀元前4000年前にはエジプトで既に栽培が始まっていたとされるほど人類の繊維利用の中で長い歴史を持っている。古来の利用法は、茎の皮(靭皮部)に存在する強靭な靭皮繊維のみを天然の醗酵精練を行って単離し、麻縄、麻袋などとして利用するのみであった。しかし、現在、世界中で注目されているのは、その旺盛なバイオマス生産特性などを利用した植物体全体の新しい利用法である。靭皮部の現代的な利用については、製紙産業用のパルプ、自動車産業用の内装材、建築産業用のボード類、IT産業用のプラスチック複合材料などとしての利用が開発され、一部は既に実用化されている。 ここでは、従来の利用法に加えて、より多くの用途を開発することについて基礎的に検討した。まず、紙パルプ用の原料処理では、靭皮繊維の持つ本来の強度を保持した処理法として、シュウ酸アンモニウム処理法の重要を詳細に明らかにするとともに、靭皮部の層状分離を行い、各層が紙強度とどのように寄与しているか、収穫時期や地上高さなどと強度との関係がどのようになっているかを明らかにした。ついで、ケナフのバイオマスとしての利用に関して、葉部、種子の利用について検討した。葉部については、その高いタンパク質含量からこれまでウドン、クッキーなどへの利用が報告されているが、ここでは、カマボコ製造への利用について検討した。アミノ酸組成は特に注目される成分が含まれているわけではなく、また、そのままでは、葉の強い酸性のため固化が困難であった。今後さらに検討するには、タンパク以外の有用成分の存在などを明らかにする必要がある。種子については、大豆に匹敵するタンパク含量、油脂含量を示すことから、ケナフ種子からの豆腐の製造を試みた。大豆からの豆腐の製造法に準じた方法では、ケナフ豆乳はニガリの添加で固化できなかった。しかし、ゴマ豆腐の製造法に準じて、クズデンプンを添加すると固化できた。さらに、栽培法に関しては、長伐期林業での未利用地の活用、畜産廃棄物の活用などについて検討した。林地での生育は光環境に敏感に反応することを明らかにするとともに、畜産廃棄物の利用については、肥料として利用するとバイオマス生産量が大幅に増大すること、家畜飼料、敷きわらなどとしても有用であることを明らかにした。
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