研究課題/領域番号 |
14570013
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野村 貴子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20116437)
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研究分担者 |
山田 輝夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00033225)
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40243216)
佐々木 順造 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30093686)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / フタル酸エステル / 活性酸素 / DNAアレイ / in situハイブリダイゼーション / ラット / 精巣 / 定量化 |
研究概要 |
過酸化水素などの活性酸素分子種は、精子の生理において重要な役割を持つことが知られている。プラスチックの可塑剤であるフタル酸エステルDi(2-ethylhexyl)phthalate(DEHP)を経口投与したラットでは、著明な精巣萎縮が観察されるが、この変化はビタミンCやEの投与で軽減されることから、この過程に活性酸素が関与していると考えられる。35日令のウィスター系ラットにDEHPを経口投与し、投与直後から24時間後までの精巣の組織の変化を光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて検索すると、6-9時間後に精細管に変性した精母細胞や多核の精子細胞が多数観察され、免疫組織学的には、TUNEL陽性細胞が精細管中に検出され、生殖細胞のアポトーシスが誘起されることが示唆された。 DEHPを投与したラットの精巣のmRNAより^<32>P標識したcDNAを合成し、DNAアレイを用いて、その遺伝子パターンを解析しDEHP投与直後から24時間後までの変化を調べた結果、testis lipid-binding protein(TLBP)など、数種の遺伝子の発現が著明に減少していることが、判明したが、定量RT-PCRでは著明な減少は認められなかった。無処理精巣切片でのISH解析では、TLBP mRNAは分裂期前後に多量観察され、分裂との関連が示唆された。cDNAアレイの結果を十分解析するために、精巣切片でのISH解析による遺伝子の発現の定量化を、rRNAを用いて試みた。ISH発現シグナル強度をPhotoshopのポスタリゼーション機能により黒色5、濃灰色4、灰色4、淡灰色2、白色1と、5段階に評価し数個の精細管の平均値をとることにより数値化が可能となった。その結果、早期一次精母細胞5、一次精母細胞4、複糸期精母細胞3、精子細胞1-2と精細胞の発育による発現強度の差を表現することが出来た。
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