研究課題/領域番号 |
14570013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野村 貴子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20116437)
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研究分担者 |
佐々木 順造 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30093686)
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40243216)
山田 輝夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00033225)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 精子発生 / DEHP / 活性酸素分子種 / DNAアレイ / in situ ハイブリダイゼーション / ラット / 精巣 / 定量化 |
研究概要 |
精子形成過程は、多数の精子形成細胞が同調して同時に進行する過程であり、分化した同時期の精子形成細胞は、集積して存在している。そのため、生理的条件下での、遺伝子発現をたとえば、in situハイブリダイゼーション法により検索すると、細胞間の発現量の差が、きわめて明確に可視化される。近年、DNAマイクロアレイなどの手法により、遺伝子発現の差を明確に出来るようになってきた。ISH解析による遺伝子の発現を数値化し様々な遺伝子の発現の増減、精細管内の各細胞での発現強度の差をより明確にすることを目的に、rRNA量を定量する実験モデルを用いて精巣内の遺伝子の発現の定量化を試みた。その結果、精子形成細胞における発現を、初期精母細胞;grade 5、精母細胞;grade 4、複糸期の精母細胞;grade 3、精子細胞;grade 2とgrade 1と数値化することが出来た。 また、病態については、プラスチックの可塑剤であるフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)を35日令のウィスター系ラットに経口投与し、投与直後から24時間後までの精巣の組織の変化を形態学的、免疫組織化学的、生化学的に検索し、投与6-9時間後から、精子形成細胞のアポトーシスが誘起されることを明らかにした。DEHPは精巣においてグルタチオン及びアスコルビン酸濃度を低下させると同時に活性酸素分子種の発生を増加させた。また、DEHPの代謝産物であるモノエステル(MEHP)がチトクロームCを著明に遊離させることによることが判明した。 DNAアレイ解析によりDEHP投与群において、複数の蛋白の遺伝子発現が著明に減少していた。これらの結果は、DEHP投与によって引きおこされた酸化ストレスが精母細胞のアポトーシスを引きおこし、精巣の萎縮の原因となることを示している。
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