研究課題/領域番号 |
14570017
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
島田 達生 大分医科大学, 医学部, 教授 (80080555)
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研究分担者 |
川里 浩明 大分医科大学, 医学部, 教務員 (50204714)
村上 隆之 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040981)
三浦 真弘 大分医科大学, 医学部, 講師 (50199957)
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キーワード | 心臓 / 刺激伝導系 / 結節間伝導路 / 介在板 / ギャップ結合 / 電子顕微鏡 / 免疫組織化学 / プラスティネーション |
研究概要 |
心臓の拍動は特殊心筋からなる刺激伝導系によって調節されてい.る。洞房結節(ペースメーカー)でおこった興奮は心房全域に伝わり、心房筋の収縮が始まる。続いて、洞房結節から房室結節(田原結節)に伝わった興奮は、ヒス束から左右の脚(田原の脚)を経て、左右の心内膜下に分布するプルキンエ線維網へと伝わり、最終的に心室筋へ達して、心室の収縮となる。本研究は洞房結節と房室結節との結節間通路の解明と心臓刺激伝導系を剖出した心臓プラスティネーション(模型)の作製に着手した。 1.結節間伝導路 結節間伝導路であると予想されている分解稜、Bachmann筋束、卵円窩周囲の心房筋細胞は心耳にある作業心房筋細胞と比較して、顕著な形態的差異はみられなかった。しかしながら、心筋細胞間結合部、いわゆる介在板の立体構築に両者の差がみられた。作業心房筋細胞の介在板は、多数の指状突起の存在(物理的結合)によって特徴づけられたが、上述の結節間伝導路と予想されている部位では指状突起は少なく、心室にみられるプルキンエ線維に似ていた。gap junction蛋白であるconnexin40と43は作業心筋と伝導路の細胞のいずれにも分布していた。次年度、中間径フィラメントの分布密度を免疫組織化学的に比較検討する。心室の伝導系細胞は豊富な中間径フィラメントを有していた。 1.刺激伝導系のプラスティネーション ヒト、ヒツジ、ウシの心臓を使って房室結節(田原結節)、房室束、右脚、左脚を実体顕微鏡下で剖出した。これらの心臓をアルコール系列で十分に脱水し、続いてシリコンゴムを-30℃、真空下で浸透させた。最終的に心臓を乾燥させ、心臓プラスティネーションを試作した。ほとんど粘りもなく、においのないものが完成したが、硬さについて改良を加える必要性があった。
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