DDR2は、RTKの一つで、そのligandがコラーゲンであることが最近明らかとなったが、今回、そのシグナル伝達ならびにその機能について解析した。まず最初に、肝星細胞を用い、コラーゲン刺激によりDDR2がリン酸化するかどうか確かめた。抗DDR2抗体による免疫沈降(IP)の後、Western Blot (WB)によって、星細胞は、DDR2を発現し、刺激によりDDR2が、リン酸化されることが明らかとなった。興味深いことに、IP-WBにより、SrcがDDR2と結合した。さらに、Src kinase inhibitor PP1やDominant negative Srcにより、DDR2のリン酸化は抑制された。続いて、DDR2に結合するその他の分子を同定するため、Src kinaseの存在下にYeast Two Hybridを行ったところShcが、DDR2と結合した。DDR2ノックアウトマウスから分離したskin fibroblastにwild type DDR2 (WT)もしくは、kinase dead DDR2mutantを組み込んだcell linesを使用し、IP-WBを行ったところ、WT-DDR2が、コラーゲン刺激によりリン酸化されるとShcとbindすることが明らかとなった。さらに、MMP-2の発現が、Src kinaseを含むDDR2 signalingによって誘導されるかどうかをMMP-2のpromoter assayを用いて検討した。DDR2 +/-cellで認められるMMP-2のpromoter activityは、DDR2 -/-cellで抑制され、さらに、active SrcによりMMP-2 promoter activityは上昇し、DN Srcにより抑制された。以上より、DDR2は、Src kinaseとの相互作用により、そのシグナル伝達が制御されることが明らかとなった。
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