研究課題
心臓形態形成において弁や中隔の原基は心内膜床から形成される。この心内膜床は内皮細胞が間葉細胞に形質転換し形成される。この内皮-間葉形質転換は骨形成因子と形質転換成長因子によって制御されている事が判明しているが、内皮-間葉形質転換を誘発させる「引きがね」となる心筋由来の因子は不明である。我々はこの未知の誘導因子に対するモノクローナル抗体H8D8を作製し、ニワトリ胚心臓cDNAライブラリーより遺伝子クローニングを行っている。【研究実績】(1)培養細胞におけるH8D8蛋白発現の免疫染色、(2)遺伝子クローニング、(3)二次元電気泳動を用いたH8D8蛋白の単離とアミノ酸シーケンス。【結果】(1)COS細胞に発現させたH8D8蛋白を検出するために免疫細胞組織化学の条件について検討を行った。その結果、固定法はエタノールを用い、蛍光標識抗ラット免疫グロブリン抗体を二次抗体に使用するのが最適であることが判明した。(2)ニワトリ胚心臓cDNAライブラリーを150クローンごとの小グループに分け、それぞれのプールからDNAを抽出し、COS7細胞に遺伝子導入を行った。導入後、免疫組織化学法でH8D8蛋白の発現をスクリーニングし、これまでに約10,000クローンのスクリーニングを行ったが、陽性プールは得られていない。(3)H8D8蛋白を発現している胚心筋培養細胞の全ホモジュネートを二次元電気泳動で展開し、膜に転写後H8D8抗体で陽性スポットを検出し、質量分析によって部分アミノ酸配列を決定することを計画している。現在、二次元電気泳動による展開の段階を終了し、Western blot法を用いたH8D8蛋白検出について検討を行っている。【今後の展開】上記(2)によるクローニングを継続し、同時に二次元電気泳動で単離したH8D8蛋白の部分アミノ酸配列決定後、インシリコでの全塩基配列の決定を計画している。
すべて 2004
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