血管内皮細胞のstress fiberが収縮すること、カベオラにCa^<2+>放出系に関わるIP3様レセプターCa^<2+>排出系に関わるポンプのCa^<2+>-ATPaseが存在することなどが解明されている。脾洞の内皮細胞のstress fiberに近接してカベオラ、小胞体、骨格筋のT小管に類似した小管系が存在していることから、stress fiberの収縮には位置的に近いCa^<2+>による調節機構があると推定された。本研究で内皮細胞のstress fiberの収縮と細胞内Ca^<2+>動態との関連を、脾臓の凍結切片を作成し共焦点レーザー顕微鏡、透過型電子顕微鏡で調べた。 1)細胞外からのCa^<2+>流入機構として、容量依存性のCa^<2+>チャネルのほかに、カベオラでのIP3レセプターの存在が考えられた。これらの抗体は様々な種類が市販されているのでそれを利用した。脾臓の凍結切片をこれらの抗体で免疫染色し交叉性のチェックをし、陽性なものについて脾洞内皮細胞での局在を共焦点レーザー顕微鏡で調べた。さらに、超薄凍結切片を免疫電子顕微鏡金コロイド法を用いて染色し、微細構造上の局在を確認した。さらに、その他の微細構造、stress fiber、形質膜由来の小管系、カベオラなどとの位置関係を調べた。カベオラに容量依存性のCa^<2+>チャネルとIP3レセプターの局在が観察された。 2)細胞内Ca^<2+>貯蔵庫から細胞質内へのCa^<2+>放出に関わるものとして小胞体上にあるIP3誘導性Ca^<2+>放出系のIP3レセプターとCa^<2+>誘導性Ca^<2+>放出系のリアノジンレセプターについて調べた。IP3レセプターとリアノジンレセプターは小胞体上に局在が観察された。さらに、リアノジンレセプターは形質膜に近接した小胞体により分布していた。
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