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2002 年度 実績報告書

PI(4,5)P_2を介するNa/Ca交換活性制御におけるシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14570039
研究機関京都大学

研究代表者

松岡 達  京都大学, 医学研究科, 助手 (00263096)

キーワードNa^+-Ca^<2+>交換 / 不活性化 / PI(4,5)P_2 / ATP / ジャイアントパッチ / マクロパッチ / リン酸化 / 心臓
研究概要

生理的状態におけるNa^+-Ca^<2+>交換の活性制御メカニズムを研究する目的で、モルモット心室筋細胞から剥離したインサイドアウトパッチ(マクロパッチ)で、Na^+-Ca^<2+>交換電流(I_<NaCa>)を記録した。ATPまたはPI(4,5)P_2を細胞質側から与えるとI_<NaCa>は増強された。PI特異的phospholipaseCでパッチ膜を処理し、PIからPI(4,5)P_2への反応を抑制すると、ATPによるI_<NaCa>増強効果の約80%が抑制された。このことは、ATP効果の大部分がPIからPI(4,5)P_2を生成する反応によることを示唆する。一方で、非加水分解性ATPアナログのうちATP-γSはI_<NaCa>を増強した(ATP効果の約30%)が、AMP-PNPは効果がなかった。さらに、チロシンフォスファターゼ阻害剤(vanadate、bpV(phen))はI_<NaCa>を増強した。これらの実験結果から、ATPのI_<NaCa>増強作用の一部にはPI(4,5)P_2産生を介さず、蛋白質リン酸化(おそらくチロシンリン酸化)を介する反応があることが示唆された。
Na^+-Ca^<2+>交換サブタイプの一つNCX3の活性制御メカニズムを調べる目的で、アフリカツメガエル卵母細胞にNCX3蛋白を発現させ、インサイドアウトジャイアントパッチ法を用いてI_<NaCa>を記録した。NCX3には細胞質側Ca^<2+>で活性化される機構のみならず、不活性化する機構の両者が存在することが明らかになった。不活性化機構が存在するために、NCX3はNCX1と比べて約10倍、調節性Ca^<2+>に対する親和性が低いことが明らかになった。また、HEK細胞に発現させたNCX3のマクロパッチによるI_<NaCa>解析からは、ATPによる活性化はNCX1に比べて、わずかしか見られなかった。NCX3にはNCX1とは異なる活性調節機構が存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Matsuoka S.: "Stoichiometry of the Na^+-Ca^<2+> exchanger : models & implications"Annals of the New York Academy of Sciences. 976. 121-132 (2002)

  • [文献書誌] Sarai N, Kihara Y, Izumi T, Mitsuiye T, Matsuoka S, Noma A.: "Nonuniformity of sarcomere shortenings in the isolated rat ventricular myocyte"Japanese Journal of Physiology. 52. 371-381 (2002)

  • [文献書誌] 松岡 達: "Na/Ca交換輸送体の構造と機能"心臓HEART. 34. 296-305 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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