研究課題/領域番号 |
14570049
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
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研究分担者 |
長井 薫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20340953)
矢島 幸雄 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10068489)
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キーワード | 神経膠細胞 / 情報伝達 / アデノシンA_<2a>受容体 / 蛋白燐酸化酵素A / グルタミン酸輸送担体 / グルタミン酸放出 / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
1、低濃度アデノシン(10nM)がアデノシンA_<2a>受容体/PKAシグナルを介してラット海馬神経伝達を促進した。 2、このアデノシンの効果はグルタミン酸輸送担体GLT-1ノックアウトマウスでも認められた。 3、アデノシンは培養ラット海馬神経細胞から記録された微小シナプス後電流(mEPSC)の発現頻度、シナプス後細胞グルタミン酸受容体コンダクタンスに影響を与えなかった。 4、GLT-1およびアデノシンA_1受容体あるいはアデノシンA_<2a>受容体を同時発現させたアフリカツメガエル卵母細胞膜モデルにおいて、アデノシンはアデノシンA_<2a>受容体/PKAシグナルを介して細胞内へのGLT-1グルタミン酸取り込みを抑制した。 5、正常ラット、マウス、GLT-1ノックアウトマウスの培養海馬神経膠細胞において、アデノシンはアデノシンA_<2a>受容体/PKAシグナルを介して神経膠細胞からのグルタミン酸放出を促進していた。 6、正常ラット培養海馬神経膠細胞において、アデノシンはアデノシンA_<2a>受容体/PKAシグナルを介して細胞内カルシウム濃度を上昇させた。 以上の結果から、アデノシンはアデノシンA_<2a>受容体/PKAシグナルを介して神経膠細胞GLT-1グルタミン酸取り込抑制と細胞内カルシウム濃度上昇にともなう神経膠細胞からのグルタミン酸放出刺激によりシナプス間隙グルタミン酸濃度を増加きせ、その結果海馬神経伝達を促進している、ということが明らかになった。
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