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2002 年度 実績報告書

バソプレシンの生合成機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14570059
研究機関岡山大学

研究代表者

森脇 晃義  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144742)

研究分担者 富澤 一仁  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40274287)
李 勝天  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90325093)
松下 正之  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30273965)
松井 秀樹  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157234)
キーワードバソプレシン / オキシトシン / Elongation Factor 2 / 室傍核 / 視索上核 / Ca+2カルモデュリン依存性キナーゼIII / 翻訳制御
研究概要

研究代表者はCa^<2+>/カルモデュリン依存性キナーゼIIIに注目して実験研究を始めた。この酵素はElongation Factor 2(EF2)をその唯一の基質とする。EF2はmRNAに結合したリボゾームを移動させペプチドを伸長させるモーター蛋白質であり、56番目のスレオニンがCa^<2+>/カルモデュリン依存性キナーゼIIIによってリン酸化されるとモーター活性が停止し、mRNAからの翻訳が止まると報告されている。しかし最近になって、リン酸化されることによってかえって合成が増す蛋白質が存在することが培養神経細胞で発見された。
これまで、研究代表者らは次のことを明らかとしてきた。1、間脳視床下部室傍核と視索上核の神経細胞群が生理的条件下でリン酸化EF2を持つこと。また、小脳Purkinje細胞、小脳核にもリン酸化EF2が存在すること。2、これらの視床下部神経核において、リン酸化型EF2とバソプレシン・オキシトシンが共存すること。3、ラットに脱水による高浸透圧刺激を与え、血中バソプレシンの上昇を惹起させると、これらの神経核でリン酸化EF2が増加すること。しかし、この刺激は、小脳のリン酸化EF2は増加させないこと。4、EF2は脳内に普遍的に存在すること。5、Ca^<2+>/カルモデュリン依存性キナーゼIIIは脳内に普遍的に存在すること。
これらの結果から、高浸透圧刺激に応答するバソプレシン合成の増加にはmRNAからの翻訳の促進による過程が存在すること。そしてその促進にはEF2のリン酸化が関与することが示唆される。
バソプレシン、オキシトシンあるいはその前駆体mRNAは細胞体ばかりでなく、樹状突起や軸索にも存在することが明らかとなってきている。局所での翻訳制御による合成調節機構の存在が想像されているが未解明である。研究代表者らの研究結果は、EF2のリン酸化、脱リン酸化によって、特定のmRNAの局所での翻訳制御が行なわれる可能性を同時に示す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tomizawa, Ka, Ohta, J.et al.: "Cdk5/P35 regulates neurotransmitter release through phosphorylation and downregulation of P/Q-type voltage-dependent calcium channel activity"J.Neurosci.. 22(7). 2590-2597 (2002)

  • [文献書誌] Li, S-T., Kato, K.: "Caicineurin Plays Different Roles in Group II Metabotropic Glutamate Receptor-and NMDA Receptor-Dependent Long-Term Depression"J.Neurosci.. 22(12). 5034-5041 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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