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2002 年度 実績報告書

二振動体乖離現象としての時差症候群の発症機構解明とその治療の試み

研究課題

研究課題/領域番号 14570071
研究機関近畿大学

研究代表者

重吉 康史  近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)

研究分担者 佐藤 伸介  近畿大学, 医学部, 助手 (40270574)
長野 護  近畿大学, 医学部, 助手 (80155960)
藤岡 厚子  近畿大学, 医学部, 助教授 (30077664)
キーワード視交叉上核 / 体内時計 / Per1 / Per2 / Cry1 / Rev-erb / Gene Chip / サーカディアンリズム
研究概要

1.視交叉上核における体内時計乖離現象の発見と時差ボケの機序の解明。
明期の開始時間を急に10時間遅らすと、ラットでも本来活動すべき暗期に、昼と同様の運動量が低下した時間が数日間にわたって生じる。すなわち、時差ボケがラットに生じたと考えられる。ここで、行動リズムとSCNの時計遺伝子Per1の発現リズムの相関関係を検討した。新たな光周期に移った1日目からVL領域は再同調できたのにもかかわらず、光入力のないDM領域では、ゆっくりと一週間ほどかけて時計遺伝子の発現リズムは新たな光周期に同調していった。また、DM領域の再同調と行動リズムの再同調のパターンに強い相関関係を認めた。これはDMとVLの脱同調が時差ぼけの原因であることを示唆するものである。このようなDMとVLの視交叉上核内での乖離は他の振動する遺伝子Per2,Cry1,およびCry1タンパクでも確認できた。
2.視交叉上核における網羅的遺伝子採取と体内時計の夜に発現する遺伝子群に共通する転写応答配列の発見
マウスの視交叉上核から取り出したRNAを用いて体内時計の夜を形作る遺伝子群を解明し、それを、ヒトのゲノム配列と照らし合わせることによって、体内時計の夜の時間を作るのに重要な働きをする因子を世界で初めて明らかにした。まず、Gene Chipを用い(今回は12000種のマウス遺伝子について検索を行った。)、視床下部において約一日を周期として発現が変動する約100種類の遺伝子をまず明らかにした。これらの遺伝子の中で体内時計の夜に活発に遺伝子が発現するものを選び、ゲノム配列を参照することによって、遺伝子の発現調節領域に10から11塩基の共通の遺伝子配列を見いだした。この配列にはRev-erbと呼ばれる因子が結合する。サーカディアンリズムを作り出す株化細胞を用いることによって、この遺伝子配列が体内時計を動かすのに必須の配列であることを証明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shigeyoshi Y, Meyer-Bernstein E, Yagita K, Fu W, Chen Y, Takumi T, Schotland P, Sehgal A, Okamura H.: "Restoration of circadian behavioural rhythms in a period null Drosophila mutant (per01) by manunalian period homologues mPer1 and mPer2"Genes Cells. 7(2). 163-171 (2002)

  • [文献書誌] Nakahama K, Fujioka A, Nagano M, Satoh S, Furukawa K, Sasaki H, Shigeyoshi Y.: "A role of the C-terminus of aquaporin 4 in its membrane expression in cultured astrocytes"Genes Cells. 7(7). 731-741 (2002)

  • [文献書誌] Ueda HR, Chen W, Adachi A, Wakamatsu H, Hayashi S, Takasugi T, Nagano M, Nakahama K, Suzuki Y, Sugano S, Iino M. Shigeyoshi Y, Hashimoto S.: "A transcription factor response element for gene expression during circadian night"Nature. 418(68979). 534-539 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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