I] in vitroにおける実験 妊娠ラットから新生仔を帝王切開にて出生せしめ、直ちに低酸素下で動脈管を摘出し、Magnus装置に懸垂し以下の実験を行いました。 1)薬剤収縮に対するエンドセリンアンタゴニストの効果 低酸素条件下で懸垂した動脈管に対し、インドメサシン(シクロオキシゲネース阻害剤)、4-アミノピリジン(K^+チャネル阻害剤)、エンドセリンなどは動脈管収縮を引き起こしました。これらの収縮に対して、エンドセリンアンタゴニストは濃度依存性の収縮抑制効果を示しました。 2)酸素収縮に対するエンドセリンアンタゴニストの効果 低酸素条件下で懸垂した動脈管を、高酸素条件に移行させた際に生じるによる動脈管収縮に対して、エンドセリンアンタゴニストは濃度依存性の収縮抑制効果を示しました。 II] in vivoにおける実験 1)生後の動脈管閉塞に対するエンドセリンアンタゴニストの効果 妊娠ラットから新生仔を帝王切開にて出生せしめ、直ちに新生仔にエンドセリンアンタゴニストを投与することによって、生後の動脈管閉塞が抑制されました。 2)インドメサシン誘発動脈管閉塞に対するエンドセリンアンタゴニストの効果 妊娠ラットに対しインドメサシンを投与し、in uteroにおいて動脈管の早期収縮が惹起されました。この動脈管収縮に対し、エンドセリンアンタゴニストを妊娠ラットに投与することにより、動脈管のin uteroにおける早期収縮は阻害されました。 以上の結果から、ラットにおける動脈管の生理的な収縮因子はエンドセリンであると結論しました。
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