研究課題/領域番号 |
14570082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
松岡 功 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10145633)
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研究分担者 |
綿野 智一 福島県立医科大学, 助手 (60301404)
小野 委成 福島県立医科大学, 主任医療技師
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | ATP / アデノシン / エクトヌクレオチダーゼ / P2受容体 / P1受容体 / アフリカツメガエルの卵母細胞 / 細胞膜局在 / mRNA |
研究概要 |
細胞外のATPは多様な受容体を介して生理作用を現している。細胞膜の外側に存在するエクトヌクレオチダーゼはATPを分解し、P2受容体を介するATPの反応を終結させるだけでなく、アデノシンの産生を介して性質の異なるアデノシンの受容体(P1受容体)を活性化する。我々は、ATPが細胞膜上の局所でアデノシンに変換され、本来は作用しないP1受容体を迅速に活性化することを示した。また、この反応にはアデノシン産生酵素として、エクト-5'-ヌクレオチダーゼ(CD73)のみならず組織非特異的細胞外アルカリホスファターゼ(eALP)も関与する事を見い出した。このことは、アフリカツメガエルの卵母細胞にA2AおよびA2B受容体を発現させると、ATPがこの受容体をアデノシンとほぼ同じ時間で、同じ濃度範囲で活性化できることからも証明できた。この細胞膜局所でATPから産生されるアデノシンの作用は、反応系にアデノシン分解酵素を添加しても抑制されなかったことから、ごく微少な構造体の中での出来事であると考えられた。実際、[^3H]で標識したATPを用いて、細胞膜局所で定量的にアデノシンが産生していることが認められた。また、GFPで標識したeALPを細胞に発現し、持続的なアデノシン受容体刺激を行うと、GFP-eALPがアデノシン受容体の細胞内移動と同じ動きをすることが観察された。このような結果から、ATP分解酵素とアデノシン受容体は細胞膜上で密接に共役して、ATPを認識する機能的受容体複合体として生理作用の発現に関与していると考えられた。
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