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2003 年度 実績報告書

開口分泌制御の分子機構の研究:単一神経細胞でのアンペロメトリー法による解析

研究課題

研究課題/領域番号 14570086
研究機関上智大学

研究代表者

笹川 展幸  上智大学, 理工学部, 助教授 (20187107)

研究分担者 熊倉 鴻之助  上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
キーワードエクソサイトシス / 副腎髄質クロマフィン細胞 / カテコラミン分泌 / アンペロメトリー法
研究概要

PKCによる分泌調節機構:PKCによる開口分泌調節機構につき微小炭素線維電極を用いたアンペロメトリー法で検討した。高カリウム(60mM5分間)刺激による開口分泌に対する、TPAの効果を検討した。TPA処理により高カリウム刺激後2〜5分の開口頻度の著明な増加が認められ、この効果は、4α-PDDでは見られず、PKCの阻害剤BISによって抑制された。これらの結果はPKCの活性化は放出可能なプールへの分泌顆粒の供給のステップを促進している事を示唆している。
過剰発現系での検討:PKCαを過剰発現した細胞では、高カリウム刺激後2〜5分の開口頻度の著明な増加が認められ、PKCβを過剰発現した細胞では、刺激後0〜1分の開口頻度の増加傾向が認められた。これらの結果は開口分泌の異なったステップが異なったPKCアイソマーにより調節されている可能性を示唆しており興味深い結果である。更に開口キネティクスの解析により、PKCαを過剰発現した細胞では、有意な開口速度の低下が認められた。この結果は、PKCが開口頻度ばかりではなく、開口速度も制御している事を示唆している。
ミオシンによる分泌調節機構:ミオシン切断酵素のミオシナーゼやミオシンVの抗血清の細胞内微量注入により、高カリウム刺激による開口頻度が抑制された。これらの結果は細胞骨格系蛋白質(特にミオシンV)が開口分泌を制御している可能性を示唆している。
イノシトール多リン酸による分泌調節機構:InsP6およびInsP7の細胞内微量注入により、高カリウム刺激による開口頻度が抑制された。これらの結果はInsP6・InsP7の小分子が開口分泌を制御していることを示唆しており、今後、開口キネティクスにおよぼす効果やシナプトタグミンによるクランプ仮説の証明を進める。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Sasakawa N., Murayama N.Kumakura K.: "Characteristic regulation of exocytotic events by protein kinase C isoform in single adrenal chromaffin cells"J.Pharmacol.Sci.Supplement I. 94. 191 (2004)

  • [文献書誌] Sasakawa N, Ohara-Imaizumi M, Okubo S, Hosaka S, Hayashi M, Kumakura K.: "Roles of actin filaments and the actin-myosin interaction in the regulation of exocytosis in chromaffin cells."Ann.N.Y.Acad.Sci.. 971. 273-274 (2002)

  • [文献書誌] Quetglas, S., Iborra, C., Sasakawa, N., De Haro, L., Kumakura, K., Sato, K., Leveque, C., Seagar, M.: "Calmodulin and lipid binding to synaptobrevin regulates calcium-dependent exocytosis."The EMBO J.. 21. 3970-3979 (2002)

  • [文献書誌] Ohyama, A., Hosaka, K., Komiya, Y., Akagawa, K., Yamauchi, E., Taniguchi, H., Sasakawa, N., Kumakura, K., Mochida, S., Yamauchi, T., Igarashi, M.: "Regulation of exocytosis through Ca2+/ATP-dependent binding of autophosphorylated Ca2+/calmodulin-activated protein kinase II to syntaxin 1A."J.Neurosci.. 22. 3342-3351 (2002)

  • [文献書誌] Kumakura, K., Ohara-Imaizumi, M., Battaini, F., Sasakawa, N.: "Catecholamine Research"Kluwer Academic/Plenum Publishers. 558 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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