• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

免疫系細胞における脂質メディエーターの役割

研究課題

研究課題/領域番号 14570100
研究機関東京大学

研究代表者

横溝 岳彦  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60302840)

キーワードロイコトリエンB4 / BLT1 / BLT2 / 気管支喘息
研究概要

アラキドン酸カスケードに属するロイコトリエンB4(LTB4)とその受容体(BLT1,BLT2)の免疫担当細胞における役割を解明する目的で以下の実験を行った。
1)免疫担当細胞における受容体の発現
ヒト末梢血を抗BLT1で染色し、フローサイトメータで定量した。BLT1は、好中球、単球、好酸球に高い発現を認めたが、リンパ球では発現が観察されなかった。マウスではBLT1抗体が入手できないため、RT-PCR法にて発現を確認したところ、上記の細胞に加え、樹状細胞に発現が観察された。骨髄由来の樹状細胞(BMDC)はLTB4に対して、ベル型の走化曲線を有する走化性を示した。
2)BLT1欠損マウスの病態モデルにおける解析
BLT1欠損マウスの好中球はLTB4に対するカルシウム上昇反応、脱顆粒反応が消失していた。一方、LTB4に対する結合は、好中球・脾臓共に、野生型の約30%に低下していた。BLT1欠損マウスは、デキストラン硫酸経口投与で惹起される腸炎モデルでは野生型と比べて致死率に差がなかった。一方、オブアルブミン感作による気道過敏性モデル(気管支喘息モデル)では、顕著な気道過敏性の減弱と肺胞内サイトカイン産生の減弱を認めた。さらに、肺胞への好酸球の浸潤がほぼ完全に消失していることがわかり、本モデルではLTB4が好酸球の走化性因子として機能していることが明かとなった。
3)BLT1欠損樹状細胞の解析
BLT1欠損マウスにおいてオブアルブミン感作によるTh1型免疫反応が減弱していること、BLT1欠損樹状細胞は抗原の貧食能や提示能に以上はないが、Th1誘導に必須なIL-12産生能が低下していることが明らかとなった。
4)BLT2欠損マウスの作成
BLT2を欠損したマウスラインの樹立に成功した。現在、解析に向けて遺伝的純系化を行っている。また、マウスBLT2が、皮膚のケラチノサイト、小腸の粘膜上皮に発現し下いることを、in situ hybridization法によって確認した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ito, N., Yokomizo, T., et al.: "Requirement of Phosphatidylinositol 3-Kinase Activation and Calcium In flux for Leukotriene B4-induced Enzyme Release."J.Biol.Chem.. 277. 44898-44904 (2002)

  • [文献書誌] Ogasawara, H., Ishii, S., Yokomizo., T.et al.: "Characterization of mouse cysteinyl leukotriene receptors mCysLT1 and mCysLT2."J.Biol.Chem.. 277. 18763-18768 (2002)

  • [文献書誌] Toda, A., Yokomizo, T., Shimizu, T: "Leukotriene B4 receptors."Prostaglandins Other Lipid Mediat. 68. 575-585 (2002)

  • [文献書誌] Usui, H., Taniguchi, M., Yokomizo, T., Shimizu, T.: "Plexin-A1 and plexin-B1 specifically interact at their cytoplasmic domains."Biochem Biophys Res Commun. 300. 18763-18768 (2003)

  • [文献書誌] Brink, C., S.E., (他4名), T.Shimizu., T.Yokomizo: "International Union of Pharmacology-Classification of Leukotriene and Lipoxin Receptors : Distribution, Function and Molecular Aspects."Pharmacol.Rev.. 55. 195-227 (2003)

  • [文献書誌] Okuno, T., (他3名), Yokomizo, T.: "Helix 8 of the leukotriene B4 receptor is required for the conformational change to the low-affinity state after G-protein activation."J.Biol.Chem.. 278. 41500-41509 (2003)

  • [文献書誌] Yokomizo, T., E.Noiri, T.Izumii, T.Shimizu: "Eicosanoids and Other Bioactive Lipids in Cancer, Inflammation and Radiat on Injury"Kluwer Academic/Plenum Publishers. 420 (2002)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi