研究課題/領域番号 |
14570110
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
飯島 幹雄 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00305111)
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研究分担者 |
小林 圭子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70108869)
佐伯 武頼 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10056070)
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キーワード | シトルリン血症 / citrin / aspartate glutamate carrier / SLC25A13 / ミトコンドリア / 細胞死 / チトクロームC |
研究概要 |
我々は、成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)責任遺伝子(SLC25A13)の転写産物であるcitrinが、ミトコンドリア内膜に局在するアスパラギン酸グルタミン酸キャリアー(AGC)であることを明らかにしたが、CTLN2の発症機構については不明な点が残されている。CTLN2症例で同定したSLC25A13変異を基に作製した変異citrinタンパク質をヒト肝細胞株に導入したところ、ミトコンドリアの断片化が認められた。本研究の目的は、変異citrinタンパク質によるミトコンドリアの断片化が細胞死を誘導するか否かを明らかにし、正常citrinタンパク質の生理的機能を明確にすることである。今年度に得られた研究成果を列挙する。 1.昨年度の結果から、ナンセンス変異R605X[VII]-citrinでは、細胞内での安定性低下が示唆された。そこで、変異[VII]-citrinを導入発現した細胞にプロテアソームインヒビターMG-132を作用させたところ、Western blot解析で変異citricタンパク質量の増大が観察された。 2.細胞死との関連性を検討するために、ミトコンドリアの断片化が認められる変異citric導入細胞で、抗チトクロームC抗体による細胞免疫染色を行った。しかし、チトクロームCのミトコンドリアから細胞質への漏出は明確でなかったため、細胞分画/Western blot法を用いた解析を進めている。 3.SLC25A13変異ホモ接合体は、新生児期に胆汁うっ滞を伴う特発性乳児肝炎(NICCD)を引き起こし、1歳以降見かけ上健康な時期を過ごし、成人期にCTLN2を発症する。血中チトクロームCを測定したところ、NICCD症状出現時期に高値を示す症例が多く、見かけ上健康な時期では低く、CTLN2症例ではバラツキが大きかった。高値を示すヘテロ接合体も存在するため、今後の研究の展開として、対照者の血中チトクロームCレベルを年齢別に詳しく検討する予定である。 4.Northern blot、Western blot、AGC活性測定、肝潅流実験などでは、citrin欠損状態であることを確認しているが、citricノックアウトマウスはまだヒト症状を呈していない。また、初代培養肝実質細胞をアミノ酸制限培地で培養した時、正常マウスに比し、タンパク質合成能に差は認められなかった。
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