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2002 年度 実績報告書

病理組織保存バンクの開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14570139
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 玲  京都大学, 医学研究科, 助教授 (60144565)

キーワード組織保存 / 凍結乾燥 / トレハロース / 遺伝子解析 / ガラス化状態
研究概要

我々が作成してきた遺伝子解析に適した病理組織の保存プロトールをもとに、以下の問題点に焦点をあわせて実験を行った。RNAの分解を抑制する条件を物理的傷害および酵素的分解の面について検討する。凍結乾燥から保存に至る基本的プロトコールは今まで我々が検討したものを基本的に使用した。すなわち、ラット肝組織小片を用いて凍結乾燥後に窒素ガスを充満した褐色バイアルにシリカゲルと共に密封し、室温保存した。DNAとタンパク各分子は保存状態良好な対照群として用い、RNAの保存状態の検定を行った。RNAの抽出とゲル電気泳動パターンの解析、さらに、Northernブロツト、RT-PCR法によってそれぞれの条件で解析した。従来からの結果と同様に400bp程度の長さのRT-PCRは可能であった。RNAは単鎖であることから構造的脆弱性が考えられたので、凍結時の氷結晶形成を防ぐために、冷却条件の再検討と凍結前の組織に高分子多糖類トレハロースを添加することによってガラス化状態を誘導し、物理的傷害を避ける条件を検討した。結果的には、5%トレハロースで処理した場合には、凍結時における氷結晶の影響や乾燥時における水分子の移動に伴う物理的損傷の影響が抑制され、RNAの保存が半年を越えて安定して得られることが明らかとなってきた。現在10ヶ月での結果を得て、さらに保存時間を延長中である。。RNaseの活性を押さえるためにEDTAに代表されるようなヌクレアーゼインヒビターを添加した場合については、凍結乾燥直後の短期間(1週間以内)においてわずかに保存状態の向上は見られたが、半年の時点での明らかな差はなかったことから、RNAの分解にはRNaseの関与が大きくないことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kano, Y. et al.: "Immunosuppressant FK5O6 induces neurite outgrowth in PC12 mutant cells with impaired NGF-promoted neuritogenesis via a novel MAP kinase signaling pathway"Neurochem. Res.. 27・12. 1655-1661 (2002)

  • [文献書誌] Yazumki, S. et al.: "Intraductal ultrasonography aids detection of carcinoma in situ in a patient with a choledochal cyst"Gastrointestinal Endoscopy. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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